2007年(平成19年) 5月5日(土)付紙面より
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鶴岡市由良海岸の白山橋南側の海岸で、階段状の護岸や人工磯場の整備が進められている。県が由良漁港整備事業として実施しているもので、本年度と来年度に埋め立て地の上部整備工事を行い、約2年後には、新しい由良の名所となる親水空間がお目見えする。
現在、白山橋南側の海岸では高さ6メートルの防波堤が整備されている。しかし、冬場を中心に荒天時には波が越え、しぶきが主要地方道藤島由良線沿いの約50メートル離れた民家まで達していた。
市や地元自治会の要望を受けた県では、2001年度に由良海岸の越波対策と新たな魅力づくりを兼ね合わせた「由良漁港ふれあい整備事業」に着手した。
計画によると、従来の防波堤から沖合38メートルまでの海域を埋め立て、幅280メートル、高さ5・5メートルの護岸を新たに整備。先端部分は石積みスロープとし、さらに沖合にかけて人工磯場を造り波を抑える。
埋め立て地のうち北側約7000平方メートルには緑地やイベント広場を備えてふれあい広場とし、駐車場やトイレも新たに整備する。また、広場から海岸線まではスロープを設け、車いすで乗り入れられるようにする。また、人工磯場は越波対策のほか、子供たちの磯遊びや自然学習への活用も想定している。
工事は06年度までに、海岸の埋め立てと盛り土、石積みスロープの整備を終えている。埋め立て地内は完成まで立ち入り禁止となっているが、白山橋など海側からは階段状にきれいに整備された石積み護岸を見ることができる。
県庄内総合支庁水産課によると、08年度までの2カ年で埋め立て部分の舗装など上部整備を行う予定。総事業費は約9億6000万円を見込んでいる。
石積みスロープや人工磯場などが整備されている由良海岸