2007年(平成19年) 5月13日(日)付紙面より
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鶴岡市藤島の庄内農業高校(近江正人校長、生徒313人)生物生産科の2、3年生が11日、同校実習田で水稲の乾田直播(じかま)き作業に取り組んだ。
同校では、稲作の安定した低コスト・省略化技術の向上、乾田直播きによる栽培技術体系の確立、産学官連携プロジェクトの展開などを目的に、1995年度から毎年、「作物」の授業の一環で直播き栽培に取り組んでいる。
本年度は、鳥害対策として鉄粉をコーティングした種もみの使用、除草剤の組み合わせなど昨年度の課題を引き継いだ上で、出芽の安定化や鳥害対策の検証、食味と品質の向上などを目標に掲げた。育苗や乾田、代かきしてから落水した水田にまく湛(たん)水の各方法で生育や収量などを比較する。
このうち、昨年から取り組み始めたコーティングは鉄粉の割合を昨年より減らし、稲の種子1に対し鉄粉を0・2とした。また、鉄粉は従来の酸化鉄のほかに、さびが付く前の還元鉄も使用した。コーティングすることで、昨年は鳥害がほとんどなく大きな効果を上げたという。
この日は2年12人、3年10人が乾田直播きの作業を行った。生徒たちはトラクター後部の直播き用タンクへ肥料と「はえぬき」の種もみを詰め込んだ後、交代で運転しながら計約60アールのほ場に30キロ分の種をまいた。
順調に育成すれば約1週間後に出芽し、9月末ごろに500キロ前後の収量が見込まれるという。
庄農生が乾田に鉄粉コーティングされた種もみを直播きした