2008年(平成20年) 1月4日(金)付紙面より
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五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災などを願う出羽三山神社の年越し行事「松例祭」が31日から1日にかけて羽黒山頂で行われた。羽黒山の門前町の手向地区の男衆が勇壮な火祭りを繰り広げた。
出羽三山の開祖・蜂子皇子が出羽の地の病魔を退治したという故事による、歳神を迎える祭り。手向地区の中から祭りの主役となる「位上(いじょう)」「先途(せんど)」と呼ばれる2人の「松聖(まつひじり)」が選ばれ、9月24日から100日間の行に励み、大みそかに満願の日を迎えた。
手向地区の男衆が位上方、先途方の二手に分かれ、ツツガムシをかたどった大松明(たいまつ)を引き競う「大松明引き」をはじめ、補屋(しつらえや)の中で各町の若者頭がたき火を囲み酒を飲み交わし、綱の付け場を決める「綱さばき」などの祭事を行った。
また、山伏たちが新しい火を打つ「火の打ち替え」、日本66国のうち東33国を羽黒と定める「国分け」などの神事が夜を徹して繰り広げられた。
このうち午後11時すぎに行われた大松明引きにはさらしに法被姿の男衆約80人が参加。ほら貝の合図とともに、一斉に位上方と先途方それぞれの男衆が大松明を綱で引き競い、立てた大松明が燃え上がると祭りは最高潮に。大勢の見物客が燃え盛る大松明に手を合わせ、息災を願った。
燃え盛る大松明を一気に引き立てた