2008年(平成20年) 1月9日(水)付紙面より
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酒田市南部の砂丘地で、冬の味覚として親しまれるアサツキの収穫作業が盛んに行われている。
アサツキはユリ科の多年草。庄内では昔から冬期に地下部分を掘り起こし、新芽を摘む。独特の風味とシャキシャキとした歯ざわりが特長で、酢みそあえやおひたしにする。地元では「キモト」とも呼ばれる。酒田市では坂野辺新田から十里塚、黒森、浜中にかけての砂丘地で、特産のアンデスメロンの後作として栽培されている。
8日午前中は、時折雨やあられが降るあいにくの天候となったが、十里塚地区では男性農業者がアサツキの収穫を進めていた。男性によると今冬は12月に収穫がスタート。1、2月にピークを迎えるという。
男性は地中に埋まっている黄緑色のアサツキを丁寧に掘り起こしながら「昨年、今年と雪に邪魔されず作業が進んでいるのだが、ちょっと雪が少なすぎる。2月に入ると土中のアサツキが青くなるのでは」と話していた。
収穫したアサツキはビニールハウス内に1週間から10日ほど入れて新芽が育つのを待ち、根や皮、古い葉などを取り除いた後に地元や首都圏などに向け出荷される。収穫は3月20日過ぎまで続くという。
雨やあられが降る中、アサツキを収穫する姿が見られた=酒田市十里塚