2008年(平成20年) 1月23日(水)付紙面より
ツイート
卒業しても被災遺児のために役立ちたい―。来月11日に鶴岡市文化会館で、スマトラ島沖地震の被災遺児を支援する庄内農業高校の有志生徒によるチャリティー公演が行われるが、生徒たちの公演の後、同校OBを中心としたグループが賛助参加し、インドネシア民話を元にした演劇を披露することになった。OBグループは本番に向けて連日、熱のこもった練習を続けている。
チャリティー公演は、毎年行われていた同校映画演劇部の定期公演に有志生徒が加わって2004年度から始まった。入場料やパンフレット代などが被災遺児の支援金に充てられている。今年で4回目を迎える。
今回、賛助参加することになったのは、庄内農高や酒田中央高のOBで社会人を中心にした約15人。いずれも昨年までチャリティー公演に参加してきたメンバーで、庄内農高専攻科の難波有樹さんと同校映画演劇部コーチの大友和裕さんの呼び掛けに賛同して集まった。
「卒業しても里親はやめられない」をテーマに、昨年11月から公演に向けて準備を開始。演目はインドネシアに伝わる天女の民話を元に、現代的なアレンジを加えて脚本を自分たちの手で作り上げた。タイトルは「スマトラ・レポート2 TsuNaMiをこえて」。ヒロインの羽衣をなくした天女・ナワンウランは鶴岡中央高校3年の藤田美怜さん、ナワンの羽衣を隠す男・ジョコは難波さんが演じる。
舞台衣装は東京のインドネシア大使館が協力し、民族衣装を貸与してくれるという。さらに公演当日は同大使館関係者が観劇のため来庄する予定。
地元在住のメンバーは、鶴岡市の藤島体育館や藤島公民館などでほぼ毎日、約2時間にわたり練習を重ねている。山形市在住の出演者もいるため、通しげいこは主に日曜日に行われている。
ナワン役の藤田さんは「昨年はただ演劇が好きだったから公演に参加した。その後、津波の被害を乗り越えて一生懸命生きていこうとする現地の人々の話を聞き、チャリティー公演の意味を理解した。今年は里親という自覚を持って、被災遺児たちのために舞台に上がりたい」と話していた。
チャリティー公演は来月11日、午後2時から庄内農高の生徒たちによる公演の後、同3時から同校生徒によるスマトラ島訪問報告会、同3時40分からOBグループの公演が行われる。
チャリティー公演の賛助参加に向け、練習にも熱が入る