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2008年(平成20年) 10月12日(日)付紙面より

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ゆったり馬車で海望む 湯野浜温泉観光協会 来春からの運行目指し試乗

 馬車に揺られて日本海を眺めよう―。鶴岡市の湯野浜温泉観光協会(五十嵐浩会長)は新たな魅力づくりの一つとして、ホテルや旅館が立ち並ぶ海岸沿いの遊歩道で観光客を乗せた馬車を運行する計画を進めている。来春の本格スタートを目指し、年内にも試験運行させたい考え。10日には実験的に馬車を走らせ、同観光協会関係者らが“乗り心地”を体験した。

 1泊して温泉と料理を楽しむという従来型の宿泊だけでなく、ゆっくりと庄内の観光地を巡る滞在基地としての役割を担うため観光メニューを増やすとともに、湯野浜温泉の魅力の一つにしようというもの。酒田市浜中にある庄内馬事公苑(五十嵐正信代表)での乗馬体験と同温泉の宿泊のパック商品もあることなどから、今年春ごろから馬事公苑側と話し合い、運行の具体化を探ってきた。

 遊歩道は国道112号と防波堤の間にあり、温泉北側駐車場から愉海亭みやじままでの約800メートル。幅は約2・5メートル。本来は防波堤を設置する県の管理用道路だが、通常は遊歩道として使われている。ここで馬事公苑が所有する11人乗り1頭立ての馬車を運行する。

 この日の実験運行には観光協会や馬事公苑の関係者約10人のほか、遊歩道を管理する県庄内総合支庁河川砂防課の担当者3人が立ち会った。参加者が乗り込み、片道7分程度のゆっくりとした速さで1往復させた。マンホールでひづめが滑ったり、多少の段差があるなど問題もあったが、同課では「滑り止めを施すなどの対応をすれば運行に大きな問題はない。使用許可について前向きに検討したい」と話していた。

 馬車に乗った五十嵐会長は「馬車だと目線が高くて海が一望でき、ひづめの音もいい。観光客に喜んでもらえるのでは」と話した。同観光協会では、県の許可が下りれば年内にも試験運行を始め、運行曜日や時間帯、料金設定などを詰めた上で来春から本格運行させる。

来春の本格運行を目指し海岸線で実験的に馬車を走らせた
来春の本格運行を目指し海岸線で実験的に馬車を走らせた


2008年(平成20年) 10月12日(日)付紙面より

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「キビソ」活用 新製品を開発 アパレル関係者注目 「鶴岡シルク」都内で展示会

 「鶴岡シルク」のブランド化に取り組む鶴岡織物工業協同組合(田中尹理事長)が、繭から製糸する際の副産物となる「キビソ」の素材を活用した絹製品の開発を進めている。今月上旬には東京・北青山で「鶴岡きびそ展」の発表展示会を開き、ファッションデザイナーやアパレル関係者らの注目を集めた。

 キビソは、蚕が繭をつくる時に最初にはき出す糸。製糸の工程で繭から糸口を見つけ出す際に繰り取ったものを乾燥して素材とするが、太すぎたり、よれていたりするため、生糸ではなく副産物とされてきた。

 同組合が製品開発のアドバイスを受けている東京ファッションデザイナー協議会前議長の岡田茂樹氏や世界的なテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんが、キビソが持つ独特の風合いと希少性に着目し、1年ほど前からプロジェクトをスタート。機械で織れる細い糸にすることに成功し、生地の開発に乗り出した。

 今年2月には、中小企業地域資源活用促進法の地域産業資源活用事業計画に認定。本年度から3年間は、同計画に基づき経済産業省の補助採択が決まり、須藤さんらのアドバイスを受けながら生地や製品などの試作、販路開拓を進める。6月には「kibiso」の商標も登録した。

 発表展示会は、キビソの「お披露目の会」(同組合)として今月6、7の2日間、開催した。須藤さんがデザインしたスカーフやストール、袋物などの小物をはじめ、ハンドバッグ、綿とキビソの混紡糸を使った製品など約130点を展示。若手デザイナー4人が鶴岡を訪れ、来年の春夏コレクションに向けて作った生地による製品も紹介した。

 会場には、ファッションデザイナーやアパレル関係者、百貨店のバイヤーと一般も含め2日間で約450人が訪れた。同組合は「粗野な感じに見えるキビソの生地がシルク100%と知って、みな感心して驚いていた。10社ほどからサンプルがほしいと依頼があり、次回のコレクションで使いたいというデザイナーからの申し出もあった」と話す。

 お披露目で成果を挙げた同組合は今後、「売れる商品づくり」へ向け開発を続け、養蚕からプリントまで絹製品を作る一連の技術と体制がある国内唯一の地域である「鶴岡シルク」のブランド力の向上を図っていく。

 展示会で紹介したキビソ製品の一部は、同組合主催で12、13の両日、鶴岡市の出羽庄内国際村で開く「新シルクフェア」にも展示する。

東京・北青山で開いた「鶴岡きびそ展」。ファッション、アパレル関係者の注目を集め、成果を挙げた
東京・北青山で開いた「鶴岡きびそ展」。ファッション、アパレル関係者の注目を集め、成果を挙げた



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