2009年(平成21年) 6月27日(土)付紙面より
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鶴岡市小波渡の国道7号「鯵ケ崎トンネル」で進められた歩道拡幅などの工事が完了し、26日朝、同トンネルで、通学の地元中学生や住民たちが参加し通り初め式が行われた。小堅地区の中学生が、これまでの約2倍となる2・5メートル幅に広がった歩道を自転車で走り、隣の三瀬地区にある豊浦中学校に向かった。工事に伴い終日片側交互通行の措置が取られた同トンネルは、同日午前11時に全面開放された。
鯵ケ崎トンネルは1964(昭和39)年に供用開始。温海方面に向かう車線側のみに設置された歩道の幅が1・2メートルと狭く、自転車通行のすれ違いに支障を来していた。また、トンネルの口径が小さく、大型車が積んだコンテナがトンネルの内壁に傷をつけることもあったという。
長年にわたる地元自治会などのからの強い要望もあり、国土交通省酒田河川国道事務所が2007年度に拡幅事業に着手。トンネル全体の幅を約2メートル広げて10・75メートルにし、幅2・5メートルの歩道を確保。トンネルの高さも約1・5メートル高い5・6メートルに改良した。トンネルの長さは約10メートル延び、316メートルとなった。事業費は約27億円。工事に伴い昨年6月から片側交互通行の規制が行われていた。
同トンネル近くの駐車帯で行われた通り初め式には、小堅地区の中学生約40人と地元住民ら合わせて約80人が参加。小堅地区自治振興会の本間仁一会長が「地区の悲願とも言える立派な歩道のついたトンネルが完成した。三瀬との間の『壁』が取り除かれ、中学生も住民も安心して三瀬地区と往来ができる」とあいさつ。トンネルの小堅側出入り口に移動し、中学生3人によるテープカットで完成を祝い、参加者全員が歩道を通り初めした。
小堅地区の中学生たちは工事期間中、スクールバスで通学していた。歩道が広がったトンネルの完成に、同地区の中学3年の本間悠矢君(14)は「これまでは、歩道のそばを通る車が来ると怖くてトンネルの壁にぶつかったりしていた。歩道が広がって安心して自転車で通れるようになり、後輩たちのためにも良かった」と話した。
2倍に拡幅された歩道を自転車で通り初めする中学生たち