2009年(平成21年) 7月11日(土)付紙面より
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庄内町家根合地区の農業者でつくるNPO法人「家根合生態系保全活動センター」(佐藤昭一理事長)は9日、同地区の水田約30ヘクタールにメダカを放流した。メダカがすめるほど農薬を減らした田んぼの「安全、安心なコメづくり」をアピールしていく。
同地区と、隣接する落合地区では2000年から始まったほ場整備で農業用水路がコンクリート製になり、メダカなど魚類の生息場所が狭められた。これに伴い地区内に保全池が設けられ、地元農業者がメダカを移した。
07年度、保全池で増えたメダカを田んぼに戻したことをきっかけに、同NPOは「メダカがすむ田んぼで作ったおいしいコメ」のブランド化に着手。昨秋初めて、収穫した「はえぬき」約160トンに『めだか米』の商品名を付け、地元農協を通じて町内外や県外で販売された。
この日はNPOのメンバーなど12人が、昨秋から保全池に放していたメダカを、水田1区画(1・2ヘクタール)につき30匹前後、計約30ヘクタールに約800匹を放した。メダカはあっという間に田んぼの稲の間へ姿を隠していた。
メダカは田んぼから水を落とす前に回収し、また保全池に戻す。その間に繁殖して10倍ほどに増えているという。
佐藤理事長は「一昨年からめだか米を使った『メダカライス純米酒』を作り、昨年は生息環境改善を図る魚道も設置した。メダカをシンボルにした減農薬のコメづくりを、大勢の人に知ってもらいたい」と話していた。
NPOメンバーが田んぼにメダカを放流した