2009年(平成21年) 8月8日(土)付紙面より
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「忠犬ハチ公」の物語を米国のハリウッドで映画化した「HACHI 約束の犬」の全国上映に合わせ、鶴岡ハチ公像保存会(高宮宏会長)のメンバーが7日、多くの人から鶴岡とハチ公の“縁”を知ってもらおうと、同会が制作したハチ公のブロンズ像を映画館が併設されている三川町のイオン三川ショッピングセンターに展示した。映画は8日から上映され、ハチ公像は上映期間に合わせ1カ月ほど展示する予定。
忠犬ハチ公の物語は、鶴岡市出身の日本動物愛護協会理事長、斎藤弘吉(1899―1964年)が1932年に新聞社に寄稿したことがきっかけで広く知られるようになった。東京・渋谷駅前にあるハチ公像は彫刻家・安藤照さんが34年に制作したが、戦争末期の金属回収で像は撤去された。戦後、安藤さんの息子の彫刻家・士さん(東京都渋谷区在住)が同じ場所に再建した。その際、試作品として石こう像も制作された。
試作品の石こう像は、旧藤島町出身の映画制作会社役員や旅館経営者を経て、最終的には旧藤島町の建設会社会長の手に渡り、85年に旧藤島町役場(現鶴岡市藤島庁舎)しゅん工の際に寄贈され、以来庁舎内に展示された。
今回展示したブロンズ像は、同会がハチ公像と地元の縁を広く知ってもらおうと、2001年に制作し、藤島地域にあるハチ公広場に展示されていたもの。
7日は、同会員4人がイオン三川ショッピングセンターを訪れ、ハチ公広場から運んできた100キロ以上あるブロンズ像を、1階ゲームセンター前の通路に展示した。高宮会長は「忠犬ハチ公の映画が上映されることは千載一遇のチャンス。たくさんの方に映画を見てもらい、鶴岡とハチ公の縁を知ってもらいたい」と話していた。
映画上映に合わせて忠犬ハチ公のブロンズ像を展示し、記念撮影する高宮会長たち