2009年(平成21年) 8月25日(火)付紙面より
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鶴岡市早田のふる里物産館しゃりんで23日、日本海に沈む夕日を背景に、同市山五十川地区に伝わる民俗芸能「山戸能」(県指定無形民俗文化財)を上演する「夕陽能」が行われ、大勢のファンが幻想的な光景に魅了された。
夕陽能は、1991年に開設された道の駅の1周年を記念して始まった。毎年この時期に開かれ、今回で18回目。日本海を背景にした特設ステージを舞台に、夕日が沈む時間帯に合わせて上演している。
曇天の一昨年、雨天に見舞われた昨年に比べ、今回は水平線の上に雲がやや広がったものの、まずまずのコンディションで3年ぶりに文字通りの?夕陽能?となった。
大鼓と小鼓、太鼓の演奏で舞台を清める「座揃囃子(ざぞろいばやし)」でステージが幕開け。稚児舞の「恋慕の舞」、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「式三番」に続き、午後6時半ごろから番能「猩々(しょうじょう)」が上演された。
夕闇が迫り来るとともに、裸電球とかがり火のほのかな明かりが舞台を照らし幻想的な光景を生み出した。観客やアマチュアカメラマンたちは、能と闇の競演に心を奪われ時のたつのを忘れて見入っていた。
沈みゆく夕日を背景に「夕陽能」が上演された