2010年(平成22年) 2月9日(火)付紙面より
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「雪の降るまちを」鶴岡冬まつりのメーン行事「鶴岡音楽祭2010」が7日、鶴岡市文化会館で開かれた。名曲「雪を降るまちを」の作曲者の故・中田喜直さんの没後10年を記念したオーケストラ演奏や合唱などのほか、国内の一流歌手をゲストに招いた歌曲演奏、地元の小中高生たちの合唱や演奏が繰り広げられ、約800人の聴衆が美しい音楽に酔いしれた。
名曲「雪の降るまちを」は、中田さんが雪に埋もれた鶴岡の一夜の光景をモチーフに作曲したとされる。このメロディー発想の地にちなみ、実行委が1986年から毎年、音楽祭を開催し、今回で25回目。毎回多彩なゲストを迎え、「音楽の街・鶴岡」を県内外に発信している。中田さんは、第1回から参加し、2000年2月の音楽祭に出演した3カ月後の同年5月3日に76歳で亡くなった。
コンサートは4部構成で、全曲が中田作品という趣向で行われ、斎小学校ミュージックベル隊の「雪の降るまちを」の演奏で幕開け。第1部では鶴岡第五中合唱部や鶴岡東高校合唱部、鶴岡南高校音楽部、鶴岡北高校音楽部などが、「冬がくると」「さくら」「ゆずり葉」などの合唱を披露した。第2部ではソプラノの品田昭子さんが「ゆく春」「たあんきぽーんき」、バリトンの河野克典さんが「淡雪ふる日に」「すずしきうなじ」などプロの歌声を披露した。
第3部では、「中田喜直先生と鶴岡」と題した音楽の特集が行われ、中田さんが写った写真などをスライド上映し、解説のナーレーションを加えて鶴岡とのつながりを紹介。また、中田さんが特注した愛用のアップライトの細軸鍵盤ピアノで上山夕海さん(朝暘三小5年)が中田さんのピアノ曲集「こどものゆめ」より「朝のさんぽ」などを演奏した。また、中田さんがオーケストラ伴奏で作曲した唯一の曲「ダムサイト幻想」を、山形交響楽団のオーケストラ、鶴岡南高音楽部と鶴岡土曜会混声合唱団の合唱で壮大に演奏が繰り広げられた。
第4部では特別ゲストとして中田さんの夫人の幸子さんの指揮で、出演者と会場が一体となって恒例の「雪の降るまちを」と「早春賦」や「夏の思い出」「小さい秋見つけた」を盛大に歌い上げ、最後は中田さんが札幌五輪のために作曲した「別れの歌」で音楽祭の幕を閉じた。