2010年(平成22年) 2月17日(水)付紙面より
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経済産業省の委託を受けて日本生産性本部(事務局・東京都港区)が主催する「省エネコンテスト」の家庭部門で、鶴岡市双葉町の主婦、菅原満子さん(81)が最高賞の経済産業大臣賞を受賞した。菅原さんは「誰でもできるような、ちょっとしたことを積み重ねたのが、こんなに高く評価してもらってうれしい」と話している。
同コンテストは、ライフスタイルの見直しや家庭と職場での努力・工夫を幅広く呼び掛けようと、2008年度に始まった。「家庭」と「学校」の2部門で全国からアイデアと実践レポートを募集、合わせて1100点を超える応募があった。東京大名誉教授の茅陽一氏をはじめ6人の有識者が審査した。
菅原さんは05年ごろから冬場の気温と消費電力量の関係について興味を持ち、「寒いから電力が上がるのではない。もっとうまく使えば電気の無駄遣いが減るのでは」と気付き、省エネの取り組みを始めたという。07年には別のコンテストで入賞もしている。
今回、菅原さんの実践期間は昨年4月1日から同8月31日までの5カ月間。給湯や風呂、暖房、調理のほか、冷蔵庫やテレビなど家電製品について節電と節ガスを行った。
このうち冷暖房は、「夏は南北の窓を開放、南側の縁側に植えたナツツバキ、ヤマカエデで日差しを遮る」「うちわ、扇風機で十分、エアコンは使わない」「冬場は灯油式ストーブから深夜電力利用の蓄熱式温風暖房機に替えた」「台所はガスストーブを使い、仕事を終える15分前は余熱を利用」など実践例をレポートにまとめた。
さらに「自分なりに小さいことの積み重ねを日常的に維持し、習慣化することが大事」と実践の感想を記し、「『省エネ』は楽しく工夫して継続実践」とタイトルを付けて昨年11月下旬にレポートを提出した。
先月下旬には日本生産性本部の研究員らが菅原さん方を訪れて家庭での取り組みを見学。今月初め受賞の知らせが届き、同10日に都内で表彰式が行われた。
菅原さんは「ささやかな営みを評価いただき、省エネに取り組んで良かったと思う。今の世の中は文化が文明に食いつぶされている。便利さだけでなく、環境への影響を一人一人が考えなくてはならないのでは」と受賞の喜びを語った。