2010年(平成22年) 3月6日(土)付紙面より
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鶴岡市大山地区の上池で採れるハスを使った加工品の開発を進める「特産品開発研究会」(太田岑代表)の発表会が4日、同地区の出羽商工会大山支所で開かれた。ハスの実が入ったおかゆやアイスなどの試食会が行われ、参加者から「食べやすくてすごくおいしい」などと好評を得た。
同研究会は出羽商工会の地域特産開発事業の一環で、ラムサール条約認定を受けた大山上池・下池に訪れる観光客を同地区ならではの特産品でもてなし、地域活性化を図ることを目的に2008年に発足。商工会大山支所の会員約40人で構成し、これまでハスを原料にしたジャムやうどん、おかゆ、アイスの4品の開発に取り組んできた。
この日は商工会員や地区住民ら約30人が参加。はじめに山形大農学部の林田光祐教授が「上池・下池・都沢湿地周辺の環境の保全と地域づくりへの活用について」と題して基調講演し、「環境保全を第一に考えた商品開発を進めなければ宣伝効果が望めない。季節限定で販売するなど商品に付加価値を付けて販売を進めた方がいい」と提言した。
続いて、鶴岡市地域振興課の本間明主査が「食べて、学んで、保全する?大山上池・下池の保全活用と地域活性化の取組みについて」のテーマでラムサール条約認定後に行われた自然環境の保全活動などについて報告した。
その後、開発したハスの実を生地に練りこんだうどんや粉砕した実入りのおかゆ、アイス、ハスの花を使ったジャムの試食会が行われた。参加者たちは「ハスの実の香ばしさがおかゆとすごく合う」「アイスの中に入っているハスの実の食感が良くておいしい」などと話していた。
出羽商工会大山支所の山田直支所長は「開発した品はどれも好評でようやく販売にこぎつける土台が出来上がった。まんじゅうなど菓子類の開発を進めるとともに、販売方法を検討し、2011年度ごろの販売開始を目指したい」と話していた。