2010年(平成22年) 9月16日(木)付紙面より
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間もなく本格デビューする期待の県産米新品種「つや姫」の刈り取りが14日、鶴岡市上山添地区のほ場で行われた。前日の大雨にも倒れることなく、順調に刈り取られた。
この日刈り取ったのは、上山添の菅原和行さん(49)。父親の春治さん(73)と交代でコンバインを運転し、作付けした0・84ヘクタールすべてを約3時間かけて刈り取った。
菅原さんがつや姫を栽培したのは今年が初めて。猛暑にも強く、刈り取り前日の大雨でひとめぼれはかなり倒れたのに対し、全く倒れず耐倒伏性の高さも実感したという。
菅原さんは今年、すでにひとめぼれ、コシヒカリを刈り取って検査を受けており、ひとめぼれは猛暑による「背白粒」によって2等米、コシヒカリは1等米の判定だった。この日のつや姫は17日に検査を受ける。すべて減農薬・減化学肥料の特別栽培米で、地元の産直や全国の消費者への予約で、「すでにほぼ完売状態」という。
菅原さんは「品質的にはまずまずのものができた。コシヒカリに近い品種なので、判定も同様に高いと思う」とみる。
また、今秋が本格デビューということについて、「期待もあるが、実績がないだけに、評価が低ければ二度と振り向いてもらえない怖さもある。県などには一層のPRと、品質向上に向けた取り組みを強化してもらいたい」と話していた。
県庄内総合支庁農業技術普及課によると、今夏は高温で白粒米が出た1999年と似た天候で推移したため、水稲全般に品質悪化が懸念されるが、つや姫はコシヒカリよりも暑さに強いという。つや姫の刈り取り適期は18日ごろから今月いっぱいを見込んでいる。