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2010年(平成22年) 2月7日(日)付紙面より

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命の重みや素晴らしさ 高校生が触れ合い実感

 高校生と赤ちゃんが触れ合う「こんにちは!赤ちゃん」が6日、鶴岡市中央児童館(阿部善孝館長)で行われ、女子高校生たちが命の重みや素晴らしさを体感した。

 命や子育ての大切さを学び、子供を思う親の気持ちに触れることで自分の存在を肯定的に考える機会にするとともに、赤ちゃんの親には高校生の新鮮な反応に接することで自分の子供への思いを再認識する機会にしてもらおうと同児童館が今回初めて企画した。保育士を目指す生徒など2、3年生7人、赤ちゃんは生後1カ月半から1歳までの9人と父母が参加した。

 高校生たちは最初に鶴岡市健康課の保健師2人による講義を受講。人形を使った抱っこの練習、出産シーンを撮影したビデオを見たほか、重さ約8キロの重りがついたベストを身につけ、妊婦の大変さを体験した。

 続いて、赤ちゃんや父母と対面。抱っこやおむつ交換に挑戦し、おもちゃで一緒に遊ぶなど楽しい時間を過ごした。4月から保育士の学校に進学するという小林香苗さん(鶴岡東高3年)は「人形と違って本当の赤ちゃんは動くため抱くのが難しかったが、かわいいしますます赤ちゃんが好きになった」とうれしそうに話していた。

 阿部館長によると、少子化の影響で自分より小さな子供と接する機会がないまま成長し、親になって初めて赤ちゃんと接する人が子育てに悩むケースが増えているという。阿部館長は「この触れ合いは高校生、親双方にメリットがある上、赤ちゃんにも親以外との交流で発達が促されるなど効果が期待できる。来年度以降も継続していきたい」と話した。

女子高校生が赤ちゃんを抱くなど触れ合った
女子高校生が赤ちゃんを抱くなど触れ合った


2010年(平成22年) 2月7日(日)付紙面より

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公益学を確立して 公益大 今春退職の教授が最終講義

 今年3月で退職する東北公益文科大の教員による最終講義が4、5の両日、酒田市の同大で行われ、教授6人が「公益学」への熱い思いなどを語り教壇に別れを告げた。

 公益大の教育・研究活動に尽力してきた教員から、学生や市民に最終講義という形でメッセージを送ってもらおうと、初めて企画。4日は福嶋壽、宮本忠、大島美恵子の3教授、5日は間瀬啓允、高橋英彦、小松隆二の3教授が講義した。

 このうち前学長の小松教授は“トリ”で登壇。「研究学徒として50年―社会政策、ニュージーランド学、そして公益学へ」と題して授業を行い、学者としての出発点となった慶應義塾大と同大学院時代の思い出を皮切りに、専門のニュージーランド研究や公益大誕生までの経緯などを、ユーモアを交えて講義した。

 その中で小松教授は、「14、15年前、県から庄内に大学をつくりたいという話を受け協議したが、一度は破談になった。再度、取り組んでできたのが公益大。少子化が見え見えで、何か特徴のある大学でなければと考え、どこにもない学問として公益学に着目した。当時の高橋和雄知事に示すと、『これからは大事なテーマ』と喜んでくれた」と打ち明けた。

 また、「庄内に大学が根付かないような日本ではだめ―という思いで頑張った」とし、学生たちには「公益学を学問としてしっかり確立する取り組みをしてほしい」とエール。大学当局や地域に対しては「初心を忘れずに。ただ、こだわってはいけない。若い人が中心になって常に改革を進め、ぜひ、いい大学にしてほしい」と要望した。

 最後に「庄内は大変、素晴らしい所。『庄内を見て死ね』となるよう、ハンデを乗り越えていいまちにしてほしい」と結び、大学関係者や親交のあった人から贈られた花束を手に、10年間にわたって講義した教室を後にした。 

最終講義を終えた小松教授(右)に花束が贈られた
最終講義を終えた小松教授(右)に花束が贈られた



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