2011年(平成23年) 3月12日(土)付紙面より
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原油価格の高騰を受け、全国でガソリンの値上げが続いている。庄内各地のガソリンスタンドでも、先月に比べレギュラーガソリンが1リットル当たり平均6円ほど上がり、約2年5カ月ぶりに140円台に達した。ドライバーや運送などの事業者からは「これ以上、上がると家計に響く」「経営を圧迫している」などと悲鳴にも似た声が聞こえてくる。
原油価格の高騰は、中東や北アフリカの政情が混迷していることが影響し、石油調達コストの上昇などで、石油元売り各社が卸価格を引き上げたためとされる。
石油情報センターによると、山形県内のレギュラーガソリン価格は3週間連続で値上がりし、今月7日現在1リットル当たり平均145・7円。1カ月前の先月7日の137・5円に比べ、8・2円も上昇した。また、全国平均は145・5円で先月7日から7・4円上昇。地方によってはレギュラー価格が150円台に達したところもあるという。
鶴岡市内のあるガソリンスタンドでは、今月1日からレギュラーガソリン価格を7円値上げし、145円で提供している。同スタンドの店長(49)は「今月に入ってから、お客さんから高くなったという声が相次いでいる。これ以上価格の上昇が続くとお客さんが1円でも安いセルフスタンドへ流れてしまう。フルサービスのスタンドはどうしても厳しい状態が続くと思う」と苦しい胸の内を語った。また、別のスタンドでは「前回の原油価格の高騰の際は、洗車やオイル交換などガソリン以外のサービスを求めるお客さんが大幅に減少し、売り上げに響いた。ニュースでは今後も高騰が続くと報じており、今回も大きな影響を受けそうだ」と話す。
ガソリンスタンドに給油に訪れた自営業の男性(30)は「普段、自家用車で営業しており、ガソリンの高騰は売り上げや家計に響く。休日の買い物などは軽乗用車を使うなど何とかしのいでおり、早く価格が下がってほしい」、無職の男性(79)は「病院や買い物などで車を運転しており、年金暮らしでガソリンの大幅な値上げはつらい。貯蓄を切り崩していなかければ生活していけない」とそれぞれ不安を訴える。
一方、鶴岡市の荘内運送は「ガソリンの値上げは利益に直結するため、これ以上、上がらないでほしい。従業員にはエコドライブの実践や食事、トイレなどの休憩中はエンジンを停止させるなど地道な対策を取っていくしかない」、庄内交通観光バス・ハイヤーは「昨年の暮れあたりから毎月のようにガソリンが値上がりし、経営を圧迫している。バス単価が下がっている中、大変だ。アイドリングストップや暖機運転しないことなどを徹底していかなくては」と厳しい現状を語った。