2011年(平成23年) 3月13日(日)付紙面より
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未曾有の巨大地震が東北地方を襲い、大津波と激しい揺れで、東北と関東の太平洋沿岸を中心に甚大な被害をもたらした。11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード8・8の国内観測史上最大の大地震が発生、宮城県栗原市で震度7、仙台市など宮城県各地、福島、茨城、栃木各県で震度6強を記録、庄内地方の5市町では震度5弱を記録した。気象庁によると、震源地は宮城県・牡鹿半島南東約130キロ、震源の深さは約24キロ。東北、関東の太平洋沿岸で津波や建物倒壊などの被害が相次ぎ、死者、不明者が多数出ている。庄内でのけが人の情報はない。強い余震が断続的に続き、11日午後4時8分に発表された庄内沿岸の津波注意報は12日午前も継続している。地震に伴う停電が酒田市や遊佐町など庄内北部で12日午前も続き、寒さの中、住民は不安な一夜を過ごした。広範囲にわたる交通網の混乱と停電の影響で、庄内の物流や企業活動にも大きな支障が出ている。気象庁はこの地震を「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」と命名した。
県庄内総合支庁によると、庄内地方のライフライン関係では、庄内各地で停電が相次いだ。地震発生後、鶴岡市は11日午後5時までに、三川町は同6時までにそれぞれ復旧し、全域が停電した酒田市、庄内町でも12日午前にかけ一部で復旧した。水道は遊佐町の野沢地区、舞台地区の合わせて150世帯が断水、11日午後10時半まで復旧した。
ガス供給への影響は庄内全域で出ていない。地震発生直後から各社の携帯電話ともつながりにくい状態が続いている。NТТ東日本山形支店によると、通話規制は12日朝までに解除した。
交通機関では、地震発生直後から運行をストップしたJR羽越本線は12日午前、特急いなほ、普通列車とも徐行運転で一部区間で運行再開。同日午前現在、上越新幹線、山形新幹線は運転を見合わせている。庄内空港の東京便は11日午後の4便が欠航し、12日は第1便が運航された。庄内地方の道路で被害は確認されておらず、庄内交通の路線バスは12日、通常通り運行。高速バスのうち山形・仙台方面は終日運休。
庄内の公立高校では、鶴岡工業、鶴岡中央、酒田中央高校などで建物へのひび割れなどが確認された。
酒田市の飛島では11日午後4時20分すぎ、高さ約30センチの津波が確認された。
県警本部の12日午前11時現在のまとめによると、地震発生で逃げる際に自宅で転倒した山形市の女性(84)が死亡し、ほか男女計7人が重軽傷を負い、建物被害は内陸地方を中心に車庫やブロック塀の倒壊など全壊35件、半壊65件などとなっている。