2011年(平成23年) 3月18日(金)付紙面より
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東日本大震災による電力の供給不足を受け、東北電力が17日午前9時―正午に実施を予定していた庄内地方5市町を含む「第5グループ」の計画停電は、電力の受給バランスが緩和したとして中止した。停電を前提に準備をしていたスーパーなどでは、開店時間を急きょ繰り上げるなど、慌ただしく対応に追われた。東北電力は19―21日の3連休は計画停電を実施しない方針。
東北電力山形支店によると、17日午前の中止は、降水で水力発電所の供給力が増加した一方で、需要面では被災地の電力需要の復興が遅れていることや、一般や産業用大口の節電効果が表れたため。中止は計画初日の16日の午前、午後に続くもので、17日午後も中止の見通し。
計画停電の実施計画は今のところ18日まで。19―21日の3連休は企業の電力需要が減ることから、実施しない方針。連休明けの22日以降については現在、電力の受給バランスを精査し、実施の有無を検討している。
実施の有無については、午前9時―正午実施分が当日の午前7時ごろ、午後5―8時実施分が同3時ごろまでに最終決定して公表する。前日午後3時ごろには、翌日実施分の見通しを公表する。
計画停電が中止となった17日、鶴岡市内でスーパー10店舗を展開する「主婦の店」本部では対応に追われた。前日16日午前までは計画停電実施を前提に、開店時間を午後零時半ごろに繰り下げる準備を進めていた。しかし、16日午後に「中止の見通し」の報を受け、開店時間の繰り上げを検討。結局、17日は「各店で準備ができた段階で開店する」ことにし、午前10時前後の開店となった。本部関係者は「納入業者も停電を前提に動いていたため、商品の手配や人員配置が大変だった。かなり振り回された」と話す。
同市錦町の主婦の店イーネ駅前店では、通常より1時間遅い午前10時に開店。店の関係者は「すべての商品がそろったわけではないが、店の前に並んでいる人もいて、なるべく早く開店した」と話していた。