2011年(平成23年) 8月3日(水)付紙面より
ツイート
東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県石巻市の市民22人が、1日から2泊3日の日程で酒田市を訪問。初日は市内の工場、同市升田の名瀑(めいばく)・玉簾の滝などを見学した。
酒田市と石巻市は、日本海側と太平洋側を結ぶ地域高規格道路「みちのくウエストライン」の整備促進に向け地域連携を行っている。今回、被災した石巻市民からゆったりとした時間を過ごしてもらおうと、酒田市、やまがた観光キャンペーン推進協議会(事務局・県観光交流課)が観光資源を生かした「被災者支援事業被災者ツアー」として、石巻市民の酒田訪問を企画。宿泊費などの旅行代金は全額、酒田市と同協議会が負担する。
一行は貸し切りバスで1日午前8時半に石巻を出発し、正午すぎに酒田に到着。「三代目兵六玉酒田店」で行われた歓迎会では、市商工観光部の小野直樹部長が「皆さんからほっとしてもらうために企画したツアー。酒田には文化、歴史、自然がある。3日間、酒田を堪能してもらえたら」とあいさつ、一行は豆腐懐石を味わった。
花王酒田工場を見学した後、玉簾の滝へ。鳥海やわたインタープリター協会員のガイドを受けながら、63メートルの高さを誇る滝の豪快さに見入っていた。友人同士の高橋やゑ子さん(86)=石巻市穀町、高橋京子さん(74)=同市駅前北通り三丁目=は「酒田は初めて。いつか来たいと思っていた。全国の有名な滝を見てきたが、玉簾の滝も素晴らしい。びっくり」と話した上で、「石巻市内はヘドロのにおいがひどい。夏になってさらにという感じ。酒田は空気がおいしい」と語った。
一行は鳥海高原家族旅行村に宿泊しながら日和山公園や旧鐙屋、JA山形農工連などを見学、3日午後に帰郷する。このツアーは、今月17日、同24日にも同様の内容で行われ、それぞれ38人、35人が酒田を訪れる。