2011年(平成23年) 8月4日(木)付紙面より
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鶴岡特産のだだちゃ豆が収穫シーズンを迎え、鶴岡市農協(今野毅組合長)の本年産初出荷式が2日、同市覚岸寺の北部選果場で行われた。本年産の作柄は、昨年の猛暑による発芽率の低下や6月の大雨で収量は例年より3割減、価格はやや高めで推移するとみられている。
同農協園芸特産課によると、今年は、昨年の猛暑による発芽率の低下で、作付面積は昨年より39ヘクタール少ない266ヘクタールとなった。5月から6月にかけては乾燥気味だったが、6月23日からの大雨で生育が停滞。梅雨明け後の肥培管理などで生育は回復しつつあるが、全体的な収量は例年の1000トン程度に対し、650―700トンの3割程度減が見込まれ、「ここ10年では最も少ないが、食味は十分に維持されている」(同課)という。
同農協がだだちゃ豆として認定している6品種(系統)のうち、今は「早生甘露」が中心。「甘露」「早生白山」と続き、主力の「白山」は今月20日ごろから30日ごろにかけて、その後、「晩生甘露」「おうら」と続く。地元のほか、主に関東、関西を中心に全国に出荷される。価格は、全国的にだぶつき暴落した昨年に対し、「今年は品薄気味で、上がり基調で推移する」(同課)とみて、総販売額は8億円を見込む。福島第1原発の放射線に関する風評被害は「今のところない」(同)という。
この日の初出荷式には、同農協や県、市、市場関係者ら約40人が出席し、神事で順調な生育などを願った。今野組合長はあいさつで「昨年のこと(価格暴落)があるので、今年は産地として存亡を懸けた思いがある。生産者も並々ならぬ思いで取り組んできたと思う。単価、生産量を含め順調に推移することを願う」と期待を述べた。
その後、京浜市場向けに「早生甘露」約9トンを積んだ第一便のトラックの前で、今野組合長ら6人がテープカット。拍手でトラックを送り出した。
同農協だだちゃ豆専門部の木村君雄部会長は「梅雨明け後は好天続きで生育は戻ってきた。味には自信があるので、たくさん食べてほしい」と話していた。