2011年(平成23年) 8月6日(土)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大(黒田昌裕学長)と英国ティーズサイド大(グレアム・ヘンダーソン学長)は、地域開発に関する科学的研究の発展に役立てるため、協力して研究活動を推進することで合意、工藤教和副学長が英国を訪れて合意書に署名し締結した。合意書は5年間有効。両大学はその間、主に「社会的企業」を主な分野に、協力しながら研究を進めていく。
テ大は、イングランド北東部の工業・港湾都市ミドルズブラ市と商業都市ダーリントン市にキャンパスがある総合大学。「未来学研究所」が設置されており、以前から社会的企業の研究を行っている。
一方、公益大の「公益総合研究センター」は、文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業の指定を受けて「日本型公益ビジネスモデル創出のための先駆的研究」を2007年から、テ大「未来学研究所」との協力で行っている。
そのため、同研究所代表のトニー・チャップマン教授が昨年、公益大を訪れた際に、これまでの背景を踏まえて両大学間の関係強化を図ることで意見が一致。合意書締結の準備を進めてきた。
締結式は先月、ミドルズブラキャンパスで行われ、テ大のクリフ・ハードカッスル学長代理と工藤副学長が合意書にサインした。
工藤副学長は「日本では地域課題を解決しようとすると、どうしても行政頼りになる。しかし行政に財政的余裕がなくなってきた。そのため公益ビジネスが重要になっている。さまざまなケースが考えられるが両大学で成功事例を蓄積、分析、情報交換し、日英の課題解決に役立てたい。今回の合意書締結は、そのきっかけになる」と話している。