2011年(平成23年) 8月9日(火)付紙面より
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川にせり出した特設舞台で鶴岡市櫛引地域の黒川能(国指定重要無形民俗文化財)と同温海地域の山戸能(県指定無形民俗文化財)が共演する「せせらぎの能」が6日夜、同市あつみ温泉の温海川沿いで行われた。重厚な舞を川のせせらぎ、月明かりが盛り上げ、大勢の観客を魅了した。
このイベントは、あつみ温泉街でそぞろ歩きが楽しめる温海川右岸沿いの「かじか通り」が完成したことを記念し、地域の活力向上を図ろうと、自治会や観光協会、商工会で組織する「あつみ温泉魅力づくり推進委員会」(会長・遠田茂昌温海温泉自治会長)が昨年初めて開いた。
2回目となる今年も、萬国屋前の温海川左岸にせり出す形で奥行き5・4メートル、幅7・5メートルの舞台を設置。ステージ対岸のかじか通りに観覧席が設けられ、通行止めの道路沿いでは屋台が並び、宵祭りの雰囲気。
日が落ちた午後7時すぎ、山五十川古典芸能保存会の能「高砂」で幕開け。半月がくっきりと浮かぶ中、地謡の声が響き、幽玄の舞台を演出。黒川能は上座が能「獅子」を上演。夜が更けるにつれ、見物の人出も増え、周囲は熱気に包まれていた。
また、この日は「ふるさと温海会」(板垣勘二会長)の一行約人が古里ツアーで訪れた。