2011年(平成23年) 8月17日(水)付紙面より
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鶴岡市渡前地区の獅子踊りが10年ぶりに復活し15日、地区の鎮守・五所神社境内で奉納上演された。大勢の地区住民らが、伝統の様式にのっとった優美な踊りに引き込まれるように見入った。
渡前獅子踊り保存会(丸山聡会長)が、5年ほど続けては10年ほど休むことを繰り返しながら継承しているもので、今回は2001年以来。伝統の4種の踊り(大踊り、牝獅子掛り、橋掛り、幕掛り)のうち、今年は大踊りを、地区の青年らが5月末から練習を重ね、この日午後2時と同7時の2回、奉納した。
昼の奉納は、保存会関係者が踊りの粗筋や、「獅子は村人に退治されるが、豊穣(ほうじょう)と平穏の象徴でもある」といわれなどを解説した後、社殿脇で約1時間にわたり上演。胸の太鼓をダンコンダンコンと打ち鳴らしゆったりと回ると、藍(あい)染めの幕が風をはらんで大きく膨らみ、勇壮さと優美さを醸し出した。
強い日差しとせみ時雨が降り注ぐ中、住民らは社殿の日陰などで見物。「頑張れー」と声援を送りながら、復活した獅子の姿に見とれていた。
大人の獅子踊りに先立ち、渡前小の4年生を中心にした子ども獅子踊りが披露された。踊りと太鼓演奏を分担したもので、大人とそっくりの衣装を身に着けた踊り手たちは迫力ある演舞で大きな拍手を受けていた。