2011年(平成23年) 8月23日(火)付紙面より
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日本子どもの本研究会(本部・東京都)主催の「全国子どもの本と児童文化講座鶴岡大会」が20、21の両日、鶴岡市湯野浜温泉のホテル海麓園を主会場に開かれた。全国から約380人が参加し、詩人で童話作家の工藤直子さんの記念講演や分科会などを通し、子どもと本のかかわりなどについて考えを深めた。
同研究会は、児童図書の研究と普及、向上を目的に1967年に発足。文化講座は毎年、各地を会場に開催。鶴岡大会は、学校司書や読み聞かせなどにかかわる地元有志で実行委員会(山崎誠助代表)を組織し誘致した。
「希望を語る言葉を!読書の力・今私たちにできることは」をテーマに、初日は開会を前に事前希望のあった約100人が図書館大改造を行った市立朝暘第六小学校を見学。開会式では、同研究会の黒澤浩会長が「大震災後の今、ただ本好きの人たちが集まるのではなく、子どもたちの育成に関し、あらためて理念を認識し展望を開く課題を考える機会にしたい」とあいさつ。開催地歓迎の言葉として、山崎代表と榎本政規鶴岡市長のメッセージが読み上げられた。
市立朝暘第三小学校読み聞かせボランティア「ダンボの耳」がアトラクションで絵本「らいおんはしった」(工藤直子作)を朗読と音楽で聞かせた後、記念講演の講師の工藤さんが登壇。工藤さんは、「こどものこころ 詩のこころ」と題し、詩作の背景にある自然界の不条理に対する思いなどをユーモアを交えて講演。また、詩の受け止め方は人によって違うことに触れ、「好きになった時からその詩はその人のもの。いろんな受け止め方の深い部分で、心に何か響くものがつながっているのだと思う。だから、私の詩に関しては自分の詩としてどんどん使ってほしい」と話した。
2日目の21日は、「絵本」「児童文学」「子どもたちに伝えたい民話」「小学生と読書」「特別支援と読書」「学校図書館」など8つの分科会で、各分野の実践報告や意見交換した。