2011年(平成23年) 1月24日(月)付紙面より
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「酒田ラーメン」を切り口に地域活性化を図ろうと、慶應義塾大大学院生らが中心となって昨年、発足した「みんなの酒田ラーメン考え隊」が考案した土産品ラーメン「酒田ワンタンメンα版」が完成し22日、酒田市の東禅寺防災コミュニティセンターで試食・発表会が開かれた。大学院生らの意見を取り入れ、酒田麺(めん)類食堂組合青年部(石垣洋平部長、部員8人)が製造を担当。今後、市民の意見を加えながら「β版」「γ版」とより良いものにしていく。
考え隊の中心となったのは、隊長で慶應大大学院修士課程政策メディア研究科2年の本間裕二さん(26)。本間さんは2009年9月から昨年2月にかけ、学生の社会性向上を文部科学省がバックアップするプロジェクト「スタディツアー」を活用し、食の地域資源を探るフィールドワークを酒田市で展開。3日間で20杯ものラーメンを食べた結果、質の高さの割に全国的な知名度の低さを痛感、情報発信の必要性を感じたという。
「酒田のラーメンを全国区にしたい」という本間さんの考えに、酒田市出身で同研究科2年の中山太護さん(24)ら慶應大、同市の東北公益文科大の学生、酒田西高の生徒らが賛同し昨年7月末、考え隊が発足した。
土産品ラーメンの開発は、考え隊の活動の柱の一つ。市内のラーメン店の若手店主らで組織する同青年部などの協力を受け、昨年10月から今年1月まで計6回の試食会を開催。結果、ちぢれ麺、魚介だしのあっさりスープ、薄くツルッとしたのどごしのワンタンの組み合わせによる「ワンタンメン」となった。
発表会には、一般市民や、開発に携わった関係者が参加。本間さん、同組合の菅井儀一組合長のあいさつに続き早速試食。市内に住む建築板金業、中山一さん(55)は「おいしい。酒田のワンタンメンなので、もう少し魚介の味がしてもいいかなと思う。多くの市民から食べてもらって意見を組み入れていけば、より良い土産品になるのでは」と話していた。
本間さんは「現在は私たちが主体だが、いずれは地元の大学生や高校生が中心となって活動してもらいたい」、中山さんは「市民の皆さんの意見を取り入れ、γ版完成時には究極のラーメンにしたい」、石垣部長は「酒田ラーメンと言った場合、一番表現しやすいのはワンタンメン。土産品でワンタンメンは全国的にも珍しいのでは」とそれぞれ話していた。
「酒田ワンタンメンα版」は3食入りで1箱1050円。22日から市内のラーメン店16店、山居倉庫・酒田夢の倶楽、眺海の森「さんさん」などで販売が始まった。箱の中にはアンケート用紙が入っており、購入者から味などに関し意見を募る。
2011年(平成23年) 1月24日(月)付紙面より
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鶴岡市の介護老人福祉施設・池幸園(佐藤佐保子園長)は冬期間中、利用者のお年寄りを安全に自宅まで送り届けるため、手作りの送迎用のソリを作製した。細い路地で送迎車が利用者の自宅前まで行けない場合に活用しており、利用者の家族からは「車いすで圧雪した道を進むのはすごく大変で、ソリを作ってもらって助かった」と好評を得ている。
同園ショートステイを利用する鶴岡市本町三丁目のお年寄り宅前の道路幅は狭く、送迎車が近くまで行くことができない。送迎車から自宅まで約200メートルの距離があり、降雪で路地が圧雪状態になると、車いすの利用者を移送するのは困難となった。
このため、送迎担当者からの要望などがあり、同園の業務主任・小林政志さん(52)が、今月初旬にソリを製作。大きさは長さ約1メートル、幅約70センチで、車いすに乗ったまま移送できるように平らな木製の土台に子供用のスキー2本をボルトでしっかり固定した。
22日は、ソリでお年寄りを自宅まで移送。介助職員など3人体制で、車いすとソリをロープでしっかり固定するなど安全面に気を配るなどしてスムーズに雪道を進み、自宅まで送り届けた。
小林さんは「利用する方が寒い思いをしないで安全に送迎できる手段としてソリを作った。雪道で車いすを運ぶ際は、前輪を浮かせないと進まないため、すごく大変だったが、ソリで運ぶようになってからは移送時間が半分になった」と話していた。