2011年(平成23年) 7月24日(日)付紙面より
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酒田港戦略会議と酒田港振興会議の第3回合同会議が22日、酒田市のガーデンパレスみずほで開かれた。酒田港の「日本海側拠点港」選定に向け、国に申請する計画書の事務局案を協議。大筋で了承する一方、「中国への米輸出実績をもっと強調しては」「海外からのリサイクル企業進出も歓迎していることを計画書に載せてほしい」といった意見が出た。
国が先月に示した「日本海側拠点港」の選定基準は、輸送方式が国際海上コンテナの場合、対岸へのダイレクト便の就航(2015年まで)と週5便以上の就航(25年まで)、貨物量は10年を基準に15年で2割増し以上、25年では2倍以上など。また、▽計画に取り組む意義が認められる▽適切な数値目標の設定と論理的説明―などの「目的と目標」、「具体的な効果が示されている」「港湾関係者間の合意がなされている」ことなどで優位性を評価して決める。
これらを踏まえ、県などの関係部局で構成する事務局で酒田港の計画書案を作成。輸送方式は「国際海上コンテナ」、ばら積み貨物の対象品目は「リサイクル貨物」の2つが実現性があるとして、「21世紀の北前船を実現する日本海側拠点港?中国向け米輸出拠点・リサイクル拠点を目指して?山形県酒田港」のタイトルでまとめた。
目的に▽中国への米輸出拠点の形成を図り、中国の経済成長を取り込む▽リサイクル産業拡大による雇用創出を図る―などを掲げ、目標は15年で▽ダイレクト航路週1便▽コンテナ取扱数量8000個(20フィートコンテナ換算、10年実績約5500個)、25年で▽ダイレクト航路週5便▽コンテナ取扱数量2万5000個―としている。
合同会議には関係者約40人が出席。振興会議の座長を務める高橋節副知事が「日本海側拠点港は当初、幅広い選定かとみていたが、厳しい一面もありそうだ。計画書案に皆さんから意見を頂き、関係者挙げての計画として国に申請したい」とあいさつした。
続いて事務局が計画書案を説明。これに対し出席者からは「TDK(秋田県にかほ市など)やDOWAグループ(秋田県小坂町など)にも酒田港の利用拡大要請を」「中国に3回も輸出しているのは酒田港だけ。その実績はもっと強調していい」「県内企業の利用促進を図るため、一層のインセンティブ(奨励金)拡充を」「リサイクルポート指定は酒田港の大きな強み。国内企業だけでなく、海外のリサイクル関連企業の進出を働き掛けてはどうか」などの提言があった。事務局で調整を図り、計画書提出締め切りの29日までに申請する。
両会議は酒田港が昨夏、重点港湾に選定されたことを「新たなスタートライン」と認識し、地域が一丸となって酒田港の振興に取り組もうと昨年11月に設立。振興会議は荷役業者や酒田港を利用している県内企業の代表らで構成、戦略会議は振興会議に大所高所から助言する組織で、新田嘉一東方水上シルクロード貿易促進協議会長(平田牧場会長)、吉村美栄子知事らが会員。
2011年(平成23年) 7月24日(日)付紙面より
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庄内の夏の味覚を代表するイワガキを楽しむ「由良イワガキまつり」が23日、鶴岡市の由良ふれあい広場で開かれ、県内外の家族連れらが、炭火で焼いたイワガキなどに舌鼓を打った。
由良地区の漁業者や自治会、婦人会、観光団体などによる実行委員会(今野聡実行委員長)が2004年から行っている。地元産のイワガキ約2000個が焼きガキ、生食用などとして、各1個300円で販売された。
人気の焼きガキは、その場で殻から外した新鮮なイワガキを炭火で焼き、熱々を提供するもの。香ばしい香りが漂う中、長い行列ができ、1人2個、3個と買っては、身の厚いプリプリしたカキをおいしそうにほお張っていた。
インターネットでまつりを知り、家族2人と初めて来たという宮城県白石市の無職の男性(60)は「今年は震災で向こう(太平洋側)の海は駄目。こっち(日本海側)に遊びに来る人は多いと思う。カキは甘味があってとてもおいしい」と喜んでいた。
そのほか、焼きイカやサザエ、イカの一夜干しなどの加工品の販売、磯ガニ釣り、漁船パレードなども行われた。駐車場には山形、宮城ナンバーの車も目立った。
今野実行委員長は「徐々にまつりが定着し、リピーターも増えてきた。震災で民宿などが影響を受けているが、こうした行事を足掛かりに誘客が増えてほしい」と話した。