2011年(平成23年) 9月23日(金)付紙面より
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県警察本部、県教育委員会による「少年非行防止ネットワーク事業」のモデル学区指定を受けている酒田市の酒田一中学区で、同事業指定を広く学区民らに知らせる広報看板が完成した。制作したのは同校美術部(佐藤茄音部長、部員26人)の部員たち。21日、同事業の推進協議会「新生一中大家族ネット」(斉藤憲吾会長)の会員らとともに設置作業を繰り広げた。
酒田一中学区は、本年度から指定を受けて7月に「大家族ネット」を立ち上げた。▽地域見守り部▽地域ふれあい部▽地域お知らせ部―の3つの部会を設置、各部会が主導する形で、少年非行防止啓蒙(けいもう)のための研修会や情報交換会、各校の取り組みと連携させながらのあいさつ運動、広報紙発行などを行っている。
広報看板は縦1・1メートル、横2・0メートルの大きさ。主に2年生部員11人が手掛け、中に「新生酒田一中大家族ネット」などの文字と、老若男女10人の地域住民が仲良く手をつなぐ絵画がある。「地域が明るくなるよう、いろいろな色を入れたのが特徴。背景は一中のスクールカラーの緑色にしており、周囲の松林とマッチするようにした」(佐藤部長)という。風雨にさらされるため、防水加工が施されているポリウレタンシートにアクリル絵の具で描いた。
設置場所は、同校に隣接する松陵小学校児童昇降口前のフェンス。設置作業には、部員とともに、酒田一中の佐藤邦生校長をはじめ教職員、酒田署の柴崎和也署長ら署員、学区内の少年補導員ら「大家族ネット」の会員が協力。あいにくの雨降りだったものの、参加者はずぶぬれになりながらも風で飛ばされないよう針金でしっかりと締めていた。
2011年(平成23年) 9月23日(金)付紙面より
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鶴岡市の県立鶴岡南高校(田中芳昭校長)の生徒たちが21日、近くの山形大農学部を訪れ、加来伸夫准教授の指導でガスクロマトグラフを使った成分分析を体験するなど、専門的な実験でサイエンスの楽しさに触れた。
鶴岡南高では本年度、生徒の興味や関心に沿って主体的な学びの意欲を育てようと、総合的な学習の一環で探究活動「鶴南ゼミ」を開講。1、2年生が人文、社会、自然の多分野の24テーマの中から好きなものを選び、週1回学んでいる。うち2テーマは、科学技術振興機構の助成事業「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」を絡め山形大農学部、県水産試験場(同市加茂)と連携した授業を行っている。
この日は、山形大農学部と連携したゼミ「環境問題、資源・エネルギー問題を考える」の9回目、同学部での講義は3回目で、受講生19人が訪れた。バイオエタノール生産実験として、事前にトマトジュースと酵母にショ糖、またはでんぷんを加え、アルコール発酵させておいた溶液について、顕微鏡で酵母菌の増殖数、ガスクロマトグラフでエタノールの生成量の違いなどを調べた。
ガスクロマトグラフの分析では、細い注射針のような管に溶液を吸い上げ、機械にセット。エタノールの量がプリントアウトされてくると、「おおー」と感心していた。
ともに2年生の工藤一希君(17)は「学校にはない実験器具がたくさんあり、とても興味深い。ここで学んだことを生かし、進学を考えたい」、井上葵さん(16)は「授業ではやったことのない実験ができ、このゼミはとても面白い。将来はこういう勉強を深めたい」とそれぞれ話した。
加来准教授は「理科離れが叫ばれる中、高校生のころから楽しみ、触れることで、サイエンスに興味を持ってもらえればうれしい」と話した。
一方、この日、県水産試験場に赴いたゼミグループは、鮮魚の鮮度と締め方の違い(活魚、活(い)け締め、海氷締めなど)の関係を調べるため、サンプル処理などを行った。