2011年(平成23年) 9月30日(金)付紙面より
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酒田市内に残る伝統芸能、特に獅子舞を後世に伝承し、地域の振興と活性化を図ることを目的にした「酒田獅子舞振興会」の設立総会が28日夜、同市浜田学区コミュニティ防災センターで開かれた。
市内では古くから獅子舞や天狗(てんぐ)舞が伝承されており、現在でも各地区の鎮守の祭礼や季節行事の際に奉納されている。しかし近年、少子化のあおりを受け、一子相伝はもとより一町内での継承も難しくなっており、やむなく中止するところが出るなど、後継者不足は各伝承団体にとって共通の悩みになっている。
酒田で受け継がれてきた獅子舞を中心とした伝統芸能の継承、その活用による地域の振興、世代間交流の構築に向け昨年11月、獅子舞や天狗舞保存会の代表、関係する自治会の役員らが集まり、振興会の設立準備会「酒田獅子舞を後世に伝えることを考える会」の初会合を開催。その後、会則や事業計画などを協議してきた。
この日の設立総会には関係者約50人が出席。議事では名称や目的・事業、役員などの規約を原案通り承認。会長に、考える会の会長を務めていた吉村栄吉氏(酒田市上本町)を選任した。席上、新たに制作された子供用獅子頭が披露された。
会則によると、▽伝統芸能を教える側(大人世代)と、教わる側(子供世代)を地域ごとに組織化し、実地指導により後継者を育成▽受け継がれてきた伝統芸能を活用し全国規模の祭りの開催―を行うことで、地域の振興と活性化を図っていく。吉村会長は「自由奔放に活動を繰り広げ、酒田に来たら獅子舞・天狗舞などの伝統芸能がいつでも見られるというイメージづくりをしていきたい」と話していた。今後、全市を対象に広く会員を募集していく方針。
2011年(平成23年) 9月30日(金)付紙面より
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鶴岡市の湯田川コミュニティセンターで28日、「つちだよしはる絵本交流会」が開かれた。同市出身の絵本作家・土田義晴さんが地元住民や小学生、保育園児たちと一緒に絵を描くなどして交流した。
交流会は湯田川地区自治振興会(萬年慶一会長)主催。同会文化教養部は年間6回の成人講座を開催しており、そのうち1回はゲストを招き、民話語りなどを通じて地区住民と子供が交流する場としている。本年度は、土田さんと50年来の知り合いという後藤輝夫さん(78)=藤沢=の紹介で、土田さんをゲストに招くことになった。
地元の藤沢や湯田川地区を舞台にした絵本「おじいちゃんのかぶづくり」(2008年、そうえん社刊)を出版した縁もあり、土田さんは快諾したという。
この日の交流会には湯田川小学校(岡崎津校長)の全児童39人と湯田川保育園(丸金陽子園長)の年長組10人、地元住民約20人が参加。はじめに土田さんが描く動物たちがイメージキャラクターとなっている鶴岡信用金庫から着ぐるみの「くう」「きっき」「みみ」が駆け付け、参加者たちの前で踊りを披露した。
続いて土田さんが子供たちのリクエストに応えながらリスやネコ、キリンなどを大判用紙に描くと、「すごい、かわいい!」と歓声が上がっていた。
その後、子供たちが6、7人ずつグループに分かれ、「動物たちのドッジボール」や「川で遊ぶ動物たち」などテーマを決めて土田さんと一緒にイラストを描いた。住民たちは「みんな上手だのー」と目を細めながら、合作の作業を見守っていた。
湯田川小5年の増田あこさん(11)は「とても速くかわいい絵を描くのですごいと思った」と話していた。交流会後、土田さんは参加した子供たち一人一人に動物のイラスト入りサインを書くなど大サービス。子供たちはサインを宝物のように大事に抱えていた。