2011年(平成23年) 9月9日(金)付紙面より
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東北・北海道商工会議所連絡会議が7日、酒田市のベルナール酒田で開かれた。各商議所の会頭ら約200人が参加。東日本大震災に関する復興財源の総額提示と復興への道筋・関与の明確化や、高速道路など社会資本整備の推進を国に求める特別決議を採択した。
開会に先立ち、東日本大震災の犠牲者に黙とう。主催者あいさつで、東北六県連合会長の鎌田宏・仙台商工会議所会頭は、全国の商議所から計12億円を超える義援金、多くの経営指導員の派遣を受けたことにお礼を述べた上で、「中小企業の再生なくして地域の再生はない。商工会議所は、流した汗が明日の郷土の礎になることを肝に銘じて取り組もう」と呼び掛けた。
また、北海道連合会頭の高向巌・札幌商工会議所会頭が「東北・北海道が新幹線の力を借りてしっかり連携することが必要」、山形県連合会長の清野伸昭山形商工会議所会頭が「東北地方の均衡ある発展と防災の面も考慮した社会資本整備が求められる」と述べた。
日本商工会議所理事の坪田秀治事務局長、阿部寿一酒田市長らの祝辞に続き、「復興!東北・北海道の連携による未来創造に向けて」をテーマに花坂康太郎宮古商工会議所会頭ら4会頭が意見発表。また、坪田事務局長が「東日本大震災からの復興・再生と商工会議所の役割」の演題で講演した。
特別決議は、震災の教訓を糧に東北・北海道地域を災害に強く、全国に誇る先導的なエリアとして整備していくことが重要と認識し、政府による復興への関与の明確化、原子力発電所事故の早期収束と風評被害払しょくに向けた情報発信、北海道新幹線や両地域発展の基盤になる高速道路など社会資本整備の推進などを求めた。
連絡会議は東北各県と北海道の回り持ちで毎年開いている。今回は46回目で、本県開催は1999年の山形市以来3回目、酒田市では初めて。次回は北海道・登別市で開かれる。
2011年(平成23年) 9月9日(金)付紙面より
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県立酒田特別支援学校(半澤豊治校長)の開校式が7日、酒田市宮海の同校で行われた。幼稚部から高等部まで計62人の在校幼児児童生徒をはじめ教職員、保護者らが出席。聴覚と知的の両障害教育部門を有する県内初の複数障害種別を対象にした学校の開校を祝った。
同校は酒田聾学校の敷地内に、地元産木材をふんだんに使った平屋建て床面積約2300平方メートルの校舎を新築。保護者らの要望に応え、当初計画より1年早く今年4月に開校した。障害の程度に応じた24の教室、さまざまな行事に使えるプレールームなどを備える。幼稚、小学、中学、高等の各部があり、教員がほぼマンツーマンの手厚い体制で支援している。
開校式は、子供たちが環境に慣れ落ち着くのを待ってこの日に行った。県教育委員会の相馬周一郎教育長が「失敗を恐れず、友達と力を合せて積極的に挑戦してほしい」と主催者あいさつ。半澤校長が「全教職員が一丸となって教え、はぐくむとともに、明るくたくましく生活できるように支援していく」と式辞を述べた。
来賓祝辞に続き、子供たちを代表して高等部2年の高橋亜弥さん(16)が「初めは少し不安でしたが、だんだん新しい仲間や先生方にも慣れ、今では楽しい毎日を送っています」、中学部2年の三浦圭太君(13)が「これからもみんなで協力し、楽しく明るい学校にしていきます」とお祝いの言葉。最後に出席者全員で校歌を斉唱し、心を新たにした。
引き続き祝典に移り、酒田きやり保存会(上林直樹会長)がめでたい「木遣(や)り」を披露。また、創立25周年記念事業として先月、同校の子供たち全員に祭りばんてんと帯、豆絞り手ぬぐいのセットを寄贈した酒田中央ロータリークラブ(日向信之会長)の有志が、太鼓や笛で「酒田ばやし」をにぎやかに演奏し、開校を祝った。