2012年(平成24年) 1月6日(金)付紙面より
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庄内青果物卸売市場
三川町の公設庄内青果物地方卸売市場で5日、初競りが行われた。年末年始の休場から6日ぶりに威勢の良い掛け声が響き渡り、朝の市場が活気づいた。
競りに先立ち午前7時半から行われた初市行事には、市場を運営する庄内広域行政組合の関係者や生産者など70人余りが参加した。
同組合理事長の榎本政規鶴岡市長が「大震災に伴う福島原発の影響で、東北の野菜に対する風評被害が残っている。払拭(ふっしょく)にしっかり取り組まなければならない。庄内の人々の生活基盤となる食の安全をつかさどる大事な業務を頑張っていこう」、卸売業者を代表し丸果庄内青果の佐々木勇治社長が「業界が発展し、1年を終えるころに『良い商売ができた』と思えるよう努力していきたい」とあいさつ。同組合副理事長の原田眞樹庄内町長の発声で手締めを行い、新年の市場スタートを祝った。
引き続き行われた初競りには、リンゴやミカン、イチゴなどの果物、ミニトマトやブロッコリー、サヤエンドウなど野菜類の他、内陸産のタラノメなど春の香りを漂わせる山菜も入荷された。仲買人たちとひな壇に立ち並んだ買い受け人たちが、威勢の良い掛け声と手の符丁でやりとり。次々と品が競り落とされ、先月30日の「止め市」以来の市場は大いににぎわっていた。
同組合によると、この日の全体の入荷量は昨年の約100トンよりやや多めという。一昨年の夏の猛暑で昨年の初競りでは品薄だったミカンは、今年は平年並みの取扱量。今後は野菜、果物とも県外産を主力に流通が本格化するという。
酒田水協・魚市場
酒田市の酒田水産物協同組合(酒田水協、谷口昭雄代表理事)の初競りが5日、同市船場町二丁目の酒田魚市場で行われた。全国各地から入荷した魚介類を前に、久しぶりに威勢の良い競り声が場内に響き渡った。
同組合は酒田魚市場の仲買人らで組織。この日は地物のマダラやスズキなどと共に、鹿児島産カンパチ、愛媛や香川のタイ、タコ、カニなど全国各地から集まったトロ箱が場内にずらりと並んだ。
午前7時半からの初競りを前に、全員で神棚を拝礼し今年1年の発展を祈願。水産物卸売・日本海水産の大川賢一社長が「昨年はとても大変な1年だった。今年は辰(たつ)年、業績も竜のように昇るよう祈る」、阿部寿一酒田市長が「港町で魚市場が果たす役割は大きい。酒田の元気をここから発信してほしい」とそれぞれあいさつした。
谷口代表理事の発声でウーロン茶で乾杯。全員で三本締めをした後、競りがスタート。競り人の威勢の良い競り声が場内に響き渡ると、買い受け人が箱詰めされた魚介類を競り落とし、次々とトラックに積み込んでいた。