2012年(平成24年) 2月14日(火)付紙面より
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酒田市の天真学園高校(齋藤正典校長、生徒214人)で11日、「寒鱈(かんだら)フェア」が開かれた。東日本大震災で同市に避難している人たちを招待し、同校食育調理科2年生28人が調理した寒鱈汁を振る舞ったほか、地域住民らにも格安で販売。熱々の寒鱈汁を通して交流を深めた。
酒田に避難している人たちを郷土料理でもてなし、互いの絆・交流を深め合おうと、同校生徒会執行部(仲鉢万里奈生徒会長)が中心となって企画。同校は昨年5月にも避難者を招待し、調理科3年生が調理した各種料理を振る舞っている。
今回は事前に市を通し、避難者約290人に案内状を配布したほか、地域住民らにも広報。運営費は、昨年10月に開催した文化祭「オクトーバフェスタ」の模擬店、酒田どんしゃんまつり出店時の売上金を充当した。
生徒たちは、日本料理実習講師を務める日本料理「鵜渡幸」(酒田市あきほ町)の須田剛史総料理長の指導で10日から仕込み作業に入り、当日正午前までに寒鱈汁約300食分を完成させた。
この日は避難者には無料、地域住民らには1杯200円で提供。正午の販売スタートを前に大勢が列をつくった。宮城県亘理町で被災し現在、酒田市北新町一丁目の県営アパートで暮らしている森久男さん(75)、明子さん(72)夫妻は「先月の寒鱈まつりでは食べることができず、一度味わいたいと思っていた。とてもおいしい。企画・準備してくれた生徒たちに感謝したい」と話していた。
仲鉢生徒会長は「風が強いので、人が来るか心配だった。たくさんの人から来てもらい、うれしいし、ありがたい」と話していた。同校の望月武揚教諭によると、今回の売上金は、次回の同様イベントの際に活用する方針という。