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2012年(平成24年) 2月17日(金)付紙面より

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地域イノベーション戦略支援プログラム鶴岡庄内エリア 農産物活用3カ年の研究成果紹介

 文部科学省の事業採択を受け財団法人庄内地域産業振興センター(佐藤智志理事長)が2009年度から3カ年にわたり取り組んできた「地域イノベーション戦略支援プログラム(都市エリア型)鶴岡庄内エリア」の研究成果発表会が15日、鶴岡市のマリカ市民ホールで開かれた。地域の農産物の機能性を調べるシステムを確立したことや、機能性を生かした菓子などの特産品が開発された成果が報告されるとともに、開発された菓子などが披露、試食が行われ、好評を博した。

 このプログラムは同財団が受託・補助団体となり09年度、文科省の「都市エリア産学官連携促進事業」として事業採択された。慶應義塾大先端生命科学研究所や山形大農学部、県の試験研究機関、県内の食品企業など計14機関が連携して、1地域農産物の機能性成分の探索と機能評価システムの構築2機能性を高める栽培技術の開発と品種育成3機能性を生かした食品加工開発と商品開発―の3つの研究に取り組んできた。

 この日は関係者約100人が参加。宮城大食産業学部の津志田藤二郎教授の特別講演などに続き、3つの研究プロジェクトの担当者らが成果を発表した。

 1については慶應大先端研の及川彰特任講師が報告。同先端研のメタボローム解析や山大農学部のラットの実験などによって、庄内柿の機能性成分のGABAやシトルリンが加熱で増えることを明らかにした成果などを挙げ、「機能評価システムは確立できた。探索は他の農産物にも容易に応用できる。地域活性化のために活用していきたい」と述べた。

 2については県農業総合研究センター園芸試験場の五十鈴川寛司主任専門研究員が、庄内柿の機能性成分・スコポレチンが樹上脱渋で増えることや、県オリジナル品種のフキノトウ「春音」は気温20度の促成栽培で機能性成分(フキノールなど)が増えることなどを報告した。

 3については山形大農学部の五十嵐喜治教授が、加熱しても渋戻りしない庄内柿の加工技術や、その応用による柿ペースト、サイトモのチップス、柿やメロンのパウダーの開発、化粧品への応用などを報告した。

 休憩時間には庄内柿や庄内メロン、ラ・フランスのパウダーやペーストなどを使ったケーキ、アイスクリーム、かまぼこ、ジュースなど食品約30種の試食が行われ、「地元の農産物でこんなにたくさんできるとは」と驚く人もいた。

 まとめによると、この3カ年の成果として、学会発表が32件、特許申請が1件、中間素材(パウダーやペーストなど)が11件、試作品が115件(菓子を中心に飲料や麺類など)、製品が9件の各開発が行われた。文科省のプログラムは本年度で終了するが、庄内地域産業振興センターでは、培われた各機関の連携を生かし、今後も地域農産物の機能性成分の探究や新製品の開発を後押ししていくという。

庄内柿やメロンのパウダー、ペーストなどを使った菓子などを試食
庄内柿やメロンのパウダー、ペーストなどを使った菓子などを試食



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