2012年(平成24年) 7月12日(木)付紙面より
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庄内町狩川の立川中学校(渡部登美雄校長、生徒175人)で10日、浴衣の着付け教室が開かれた。NPO法人「和装教育国民推進会議」(本部・京都市)の県支部員たちの指導で、同校3年生が浴衣に袖を通し、正しい着方を学んだ。
同校は、推進会議が取り組んでいる和服や浴衣の着付け教室を活用し、2007年度から毎年この時期、家庭科の授業を利用して3年生が浴衣の着付けを体験している。庄内地区で授業に着付け教室を取り入れている中学校は立川中だけという。
推進会議県支部の小池泰弘副支部長や支部員、庄内各地の和服着付け教室の関係者など20人が同校を訪問。3年生61人が2クラスに分かれて着付けを教わった。生徒たちは支部が用意した浴衣と帯を手に取り、支部員たちから「下帯は腰骨の辺りできちっと留めて」などと指導を受けた。特に角帯の結び方が難しく、教わった「貝の口結び」を何度もやり直す姿も見られた。
男子は縞(しま)柄や壁画模様、女子は花柄やとんぼ模様などの浴衣をぴしっと着込み、昇降口付近の七夕飾り前で記念写真を撮るなどしていた。富樫和史君(14)は「浴衣を着たのは初めて。自分も友達も大人に見える。夏祭りなどでも着てみたい」と話していた。
小池副支部長は「本年度から中学校新学習指導要領の家庭科に『和服の基本的な着装』が盛り込まれ、浴衣の構造や着方などを学べるようになった。日本人が失いつつある着物文化を取り戻す最後のチャンス。中学生たちから帯の結び方などをしっかり覚えてもらい、外国で浴衣を着こなして日本の文化を表現してほしい。今後、各中学校の授業に着付け教室を取り入れてもらえたら」と話していた。