2012年(平成24年) 7月19日(木)付紙面より
ツイート
鶴岡市の鶴岡中央高校(井上利也校長)で17日、外部から講師を招いた着付け教室が開かれ、生徒たちが自分たちで作った浴衣の着付けを習った。
総合学科被服系の3年生を対象にした授業の一環。日本の伝統的な着物文化の振興を図っている和装教育国民推進会議県支部の協力で、庄内地方の着付け講師6人が訪れ、留学生の女子1人を含む生徒13人(男子3人、女子10人)とALT(外国語指導助手)の男性1人に指導した。
生徒らは男女に分かれ、昨年度に自分たちで作った浴衣を着た。男子は「貝の口」、女子は「文庫結び」などの帯の結び方を習い、完成すると、「どう?」「きれい?」とお互いに見せ合い喜んでいた。
原田里野さん(17)は「着物はこれまでも着たことがあるが、自分で着たのは初めて。しかも自分で作った浴衣を着ることができ、達成感は大きい。花火大会に着ていく」、五十嵐泰斗君(18)は「涼しくて気持ち良い。最初は難しいと思ったが、何回もやるうちに覚えてきて、できるようになった」とそれぞれ感想を話した。
和装教育国民推進会議県支部の小池泰弘副支部長(小いけ社長)は生徒たちに「着物はリサイクルすることを考えて作られている。洋服は体の曲線を強調するのに対し、着物は体の曲線を直線で隠す。日本の大事な文化。外国に行くときも、ぜひ持っていって着て」と、呼び掛けた。
小池さんは最近、庄内地方で普段から着物を着ようという若い女性グループが現れるなど着物文化を見直す動きがあることを挙げ、「とてもうれしい。着物姿が町の風景として定着するよう、さらに普及してくれれば」と期待を寄せていた。