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2012年(平成24年) 7月21日(土)付紙面より

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算数教育のカリスマ 窪田さん 「整然とした美しさ」伝えたい

 鶴岡市出身で、「算数教育のカリスマ」といわれる元筑波大付属小学校教諭、窪田騰(のぼる)さん(80)=東京都豊島区=が19、20の2日間、傘寿(80歳)記念の示範授業を鶴岡市内の3つの小学校で行った。約40年にわたり毎年のように古里を訪れ、「算数の面白さ」を伝える授業を地元の教師たちに示してきた。本年度で一つの区切りにしたいと考えている窪田さんは「算数は美しい」と、算数好きになるよう子供たちにエールを送っている。

 窪田さんは1932年、満州生まれ。戦後は父の故郷・鶴岡に引き揚げ、鶴岡高(現鶴岡南高)、東京教育大(現筑波大)理学部数学科卒。東京都内の公立中学を経て、57年から同大付属小学校に勤務し、以来、94年3月に退職するまで算数教育とその研究に専念。文部省指導書作成や日本数学教育学会研究部幹事などを歴任、「算数好きになっちゃった」などを著した。

 故郷との関わりは1970年ごろから84年ごろまで田川教育数学研究会の講演会講師といった形で招かれた。2000年からは鶴岡市教育研修所の事業でほぼ毎年のように招かれ、「大勢の先生が1カ所に集まり講演を聞く形では、自習になる子供たちがかわいそう」と、自ら各校に出向く形で示範授業を実施。近年はほぼ毎月1回、2、3校で授業を行い、同研修所事業としての授業は昨年度まで、541時間に上っている。

 19日に藤島小学校(三浦洋介校長、児童339人)6年3組の23人に対して行った授業は558時間目。「同じ形」をテーマに、大きさが違う山形県の地図を使い、「鶴岡、新庄、米沢を結ぶ三角形で、大きさは変わっても、変わらずに残っているものを探して」と問い掛け。児童は「対応する角の大きさが同じ」など生き生きとした目で発見を楽しみながら「合同」や「相似」などを学んでいった。

 今回は、19日に同校と朝暘五小で計4時間、20日に櫛引西小で4時間、合わせて8時間の授業を実施。これで市内の40小学校のうち36校で実施し、本年度に全校で実施する予定。

 窪田さんは「通うのは結構大変だが、子供と授業が好きで、自分自身の刺激になること、そして、故郷への恩返しのつもりで頑張ってきた」という。

 算数については「整然とした美しさがある。それを子供たちに伝えたい」とする。地元の若い教師については「大人にとっては当たり前のことも、子供たちは白紙の状態から学ぶ。そこが一番重要で、難しい。その点をよく自覚して頑張ってほしい」と話した。

「傘寿」記念授業を行う窪田さん=19日、藤島小
「傘寿」記念授業を行う窪田さん=19日、藤島小



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