2012年(平成24年) 9月29日(土)付紙面より
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鶴岡シルクの学習発表やドレス製作などに取り組む鶴岡中央高校(井上利也校長)のシルクツアーが27日、松ケ岡開墾場など鶴岡市内のシルク関連企業を巡り、機織りやざぐり(繭から糸を取り出す)体験を通して絹産業の歴史などを学んだ。
シルクツアーは、同校と鶴岡織物工業協同組合の共同で実施している「シルクガールズ・プロジェクト」の一環。鶴岡シルクを素材としたドレスの製作・発表に向けた学習の場であり、伝統産業の絹の歴史を学ぶとともに鶴岡シルクの発信、絹関連産業の振興などを目的とする。
今回は同校総合学科の被服コースで学ぶ2年生、同科保育・食物コースの3年生合わせて24人がツアーに参加。はじめに鶴岡市羽黒町の松ケ岡本陣で、鶴岡織物工業協同組合前理事長の田中尹さんの講話が行われ、「鶴岡の機産業は大正8年ごろにピークを迎え、当時は業者36軒、機織り機約2300台、2200人余りが職人として働いていた」と、鶴岡の絹産業の歴史を学んだ。
続いて、隣接する松ケ岡開墾場で3グループに分かれて機織り、ざぐり、繭の毛羽取りの各種体験に挑戦した。このうちざぐり体験は、鶴岡シルクタウン・プロジェクトの担当者から説明を受けながら、生徒たちが繭から糸を取り出す作業を行った。
専用の機器で糸を巻き上げながら、糸をほぐすためお湯に漬かった繭を右手の割り箸で回すなど、慣れない作業に生徒たちは目を白黒。細い糸が次第にまとまると、興味深そうに触るなどしていた。2年の榎本亜紀さん(16)は「今まで知らなかったいろいろな工程を見ることができた。シルクを作るのはとても大変な作業」と話していた。
昼食後は羽前絹練(鶴岡市新海町)と芳村捺染(同市安丹)を訪問し、工場内を見学した。