2012年(平成24年) 9月29日(土)付紙面より
ツイート
庄内たがわ農業協同組合(黒井徳夫組合長)の「抜穂祭(ぬきほさい)」が28日、鶴岡市羽黒町玉川の水田で行われ、出羽三山神社の巫女(みこ)たちが古式ゆかしい作法で稲刈りを行うなどして、祖先から受け継いだ米作りへの思いを新たにした。
農業情勢が厳しさを増す中、原点に立ち返り清新な気持ちで農業に取り組もうと、2007年から続けている。玉川の大鳥居近くの水田約17アールを借りて出羽三山神社の新嘗祭(にいなめさい)用の献餞田(けんせんでん)とし、季節ごとに古式にのっとった祭事を行いながら栽培、収穫した米の一部を同神社に奉納している。今年は5月の「御田植祭」で「つや姫」を植えた。
この日は同農協や管内市町の関係者ら約50人が参列。黒井組合長はあいさつで「今年は猛暑で高温障害も心配されたが、全体的には豊作基調。祭りは定着してきた。伝統の文化を後世に伝えていきたい」と述べた。
倭楽の生演奏が響く中、出羽三山神社の山伏による祝詞奏上、巫女舞などが行われた。引き続き、黒井組合長や巫女、山伏たちがたわわに実った稲を伝統の作法にのっとって水田から引き抜き、くいに掛けた。
例年に比べ生育は5日ほど早かった。収穫した米のうち20俵(約1・2トン)が出羽三山神社に奉納され、11月23日の新嘗祭などに使われる。