2012年(平成24年) 10月2日(火)付紙面より
ツイート
旧庄内藩校致道館の教育を後世に伝えていく「孔子祭」と「致道館の日」式典などが29日、鶴岡市の致道館と荘内神社参集殿で行われた。
孔子祭は、致道館が1805(文化2)年に設立されて以来、孔子を祭った同館の聖廟(せいびょう)で年2回行われていたが、1873(明治6)年に致道館が廃校となった後は途絶えていた。
致道館精神を継承する活動に取り組む致道館文化振興会議(細井功会長)が、現在も孔子祭を続けている東京都の湯島聖堂を視察するなどし、2000年に128年ぶりに復活させた。以来毎年この時期に行っている。
この日は会員をはじめ、同振興会議の素読教室を受講している児童など計60人ほどが参加。神事に続き細井会長が祝文を奉読した後、参加者全員で論語抄第38から42章までを素読。その後、致道博物館の犬塚幹士理事が「述而第七『子曰。三人行。必有我師焉』章」を講経した。
続いて「致道館の日」式典が行われ、細井会長の式辞などに続き、富塚陽一前鶴岡市長が「『致道館の日』に寄せて」と題し講演した。
式典終了後、荘内神社参集殿に会場を移し、第4回児童・生徒論語作文発表会を開催。市内の小学生5人が「覚えた論語を普段の生活でも使ってみたい」「来年も素読教室に参加したい」などと発表した。続いて記念講演が行われ、全国漢文教育学会の菊地隆雄常任理事が「日本と中国の漢文教育」をテーマに講演した。