2012年(平成24年) 10月3日(水)付紙面より
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土壌微生物や昆虫の観察などを通して高校生から農学の面白さについて学んでもらう「ひらめき☆ときめきサイエンス 生物の多様性を考える」が29日、鶴岡市の山形大農学部で行われた。
同学部が独立行政法人日本学術振興会の支援を受け、全国の高校生を対象に2008年から毎年開催しているイベント。5回目の今年は庄内地方を中心に、内陸、東京などから20人が参加した。
はじめに同学部長の西澤隆教授が「今日の講義や実験を通して大学生たちと触れ合うとともに、科学の面白さを知ってください」とあいさつ。高校生たちは午前中、生物の多様性について学ぶ講義を受講したり、土壌微生物の観察実験などを行った。
このうち実験では、植物の根に共生し、植物から炭水化物を得るとともにリンを供給する「アーバスキュラー菌根菌」を観察するなどした。高校生たちは顕微鏡をのぞき込み、菌根菌が菌糸を伸ばしている様子などをじっくりと観察していた。
庄内農業高3年の工藤直樹君(17)は「高校の授業では習ったことのない、微生物などについて学ぶことができたので楽しかった」と笑顔で話していた。
その後高校生たちは、同学部の学生たちと昼食を取りながら交流を深めたり、お茶に含まれるカテキン量の測定実験や昆虫の観察などを行った。