2012年(平成24年) 10月13日(土)付紙面より
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本年度2回目の「庄内の食を楽しむ会」が10日、三川町のなの花ホールで開かれ、庄内一円の農家が提供した旬の食材を使ったフルコースの料理が振る舞われた。食材を提供した若手農家たちがウエーター、ウエートレスとなって給仕し、参加者たちと交流を深めた。
この会は、庄内地方の若手の農業者や卸、小売業の関係者が実行委員会をつくり、2008年から年3、4回開いている。今回は今年6月の「デザートディナー」に続くもので、庄内若手農家ネットワーク(佐藤公一代表)が県庄内総合支庁の「庄内若者人材育成支援事業」の補助を受け「若手農家レストラン」をテーマに開催。なの花ホール併設のレストラン「ル・ポットフー」の加藤忍シェフの創作料理を堪能した。関東など県外を含め約60人が参加した。
提供された料理は、遊佐町産の白ナスやパプリカを使った「カスベの温かサラダ」、酒田市産のドライトマトや遊佐町産の古代米などを使った「獲れたて鮮魚(マダイ)カニムース包み庄内の恵みソース」、鶴岡市産の豚肉やジャガイモなどを使った「山伏ポークのアイスバイン(塩漬け煮込み)月山高原の野菜添え」など、デザートを含め6品。
若手農家ネットのメンバーたちがワイシャツに蝶(ちょう)ネクタイなどの姿になって給仕。「おいしい」の声が広がった。また、メンバーたちは参加者のテーブルに加わって一緒に会食。農産物の特徴や生産の苦労などを語り合い、生産者、消費者の垣根を越えて交流した。
若手農家たちは「緊張したが、いい経験になった」「新鮮な感じで良かった。またやりたい」「いろんな人と交流でき、感動した」などと感想を語った。
主催の中心となった庄内若手農家ネットワークは2009年4月から月1回のペースで行っている勉強会。ベテラン農家や金融、流通、IT(情報技術)の専門家らを交え、農業や経営に関する最新の情報を交換し、コミュニケーション能力を高めながら、経営感覚を持った新たな農業の在り方を模索している。
2012年(平成24年) 10月13日(土)付紙面より
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八幡町教育委員会(当時)のALT(外国語指導助手)を務めていたディーン・マロルドさん(40)がベースを担当する4人組のブルーグラスバンド「フェアウェル・ドリフターズ」が11日夜、酒田市八幡タウンセンターでコンサートを開き、美しいハーモニーと高い演奏テクニックで満員の聴衆を魅了した。
マロルドさんは米コロラド州出身。1994年から2年間、旧八幡町内の小・中学校で英語を教えた。帰国後、ブルーグラスのバンドを仲間と結成し2005年から活動開始。08年にプロミュージシャンとして全米デビューした。
09年に再来日した際、親交のあった八幡地域の仲間から「子供たちが音楽を通して英語に親しみ、国際感覚を養う取り組みができないか」「バンドで八幡に来てくれないか」と要望され快諾した。
昨年11月、八幡地域の有志で実行委員会(安藤浩夫委員長)を設立。一般公開する「ブルーグラス・コンサート」を中心に、地元小・中学生を対象にした英語・ブルーグラス・セミナー、地域住民やブルーグラス愛好者らによる交流パーティーなどを企画した。その後、資金面などで広く協力を呼び掛け。本年度の「公益受託荘内銀行ふるさと創造基金」の助成を受けることが決まり、実施にこぎつけた。
マロルドさんらは7日に八幡入りし、10日には一條、八幡両小学校でスクールコンサートを開催。それぞれ鳥海小、南遊佐小の子供たちも招いて交流を深めた。
今回のメーン行事「ブルーグラス・コンサート」では、アンコールを含め23曲を精力的に演奏。会場を埋めた約400人の聴衆は、軽快なリズムに合わせて手や足で拍子を取り、一曲終わるたびに大きな拍手と、指笛を送った。リードボーカルのザックリー・ベヴィルさんは、ブルーグラスバージョンの「上を向いて歩こう」を完璧な日本語で披露。喝采を浴びた。
曲の合間にマロルドさんは「すごく(多くの)人が来てくれましたね。もっけだのー」とあいさつ。フロアの笑いを誘った。また、「ここは全てがいい。人、食べ物、鳥海山。水もおいしい」と述べ、演奏終了後は「すごく楽しかった。また来たい」と語った。
カントリーフォークバンド「日和山楽団」の梅津勘一さん(同市錦町五丁目)は「ハーモニーが素晴らしい。それにブルーグラスでは珍しいエレキギターやパーカッションなどを使っており独創的」と感想。梅津さんらは13日夜、同センターで開かれる国際交流パーティーで「庄内版ブルーグラス」を披露するとともに、マロルドさんらともセッションを行う予定で、「楽しみ」と話していた。