2012年(平成24年) 10月5日(金)付紙面より
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子供たちに味わう力を身に付けてもらおうと、酒田市の「味覚教室」が3日、同市市条の一條小学校(松本千枝子校長、児童103人)で行われた。4年生児童が同市内のレストラン「ロアジス」の太田政宏シェフと鳥海八幡中の板垣寿子栄養教諭から味の基本となる4つの要素などを学んだ。
味覚が飛躍的に発達する小学校4―6年生の時期にしっかり味わう力を身に付けてもらおうと、市農林水産部などが地産地消・食育推進事業の一環として企画。モデル事業の本年度はこの日の一條小を皮切りに希望のあった市内計9校の4―6年生計339人を対象に実施する。
一條小では4年生児童15人が授業を受けた。太田シェフと板垣教諭が味の基本となる4つの要素「しょっぱい」「すっぱい」「にがい」「あまい」について酒田の塩、米酢、ビターチョコレート、上白糖を用意。児童たちはそれぞれ口に含んでは、日本海の海水で精製した塩は「初めはしょっぱいけど、だんだん甘く感じる」、カカオ75%のビターチョコレートは「口の中で溶けると苦い」などと感想を口にしながら味の違いを体感した。
また、太田シェフは4要素のほかに味には昆布やカツオ、煮干しなどを使っただし汁の“うま味”があり、「だし汁は料理のおいしさをアップさせる。フランスにも牛骨などのフォンドボーというだしがあるが、日本のだし汁を学ぼうとフランスのシェフたちが勉強にきている」と、うま味の大切さを教えた。
さらに、板垣教諭は舌のほかに鼻(匂い)や目(視覚)、耳(調理の音)、手(ぬくもり)からもおいしさを感じられるとし、「食べることをもっと楽しむために五感を使って食事をしよう」と呼び掛けた。
児童たちは最後に太田シェフお手製のスイーツ「洋ナシのゼリー」「イチゴ(サマーティアラ)のタルト」を満面の笑みでごちそうになり、食の楽しさを体感していた。
授業を受けた相蘇雅さん(9)は「酢は初めてなめたので口が痛くなった。これからはご飯の時にどんな味があるのかを考えて食べてみたい」と話していた。
2012年(平成24年) 10月5日(金)付紙面より
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三川町の東郷小学校(五十嵐良克校長)の5、6年生たちが3日、鶴岡市の大鳥地区で杉の間伐作業体験などに取り組み、森づくりの重要性について学んだ。
豊かな水や生物を育む森林の働きや、森を守り育てることの大切さを子供たちに理解してもらおうと、庄内赤川土地改良区(渡部敏美理事長)が毎年、東郷小に呼び掛けて行っている。今回は「水土里の森づくりと農業用水の働き」をテーマに国土緑化推進機構の「緑と水の森林ファンド事業」の助成を受けて実施した。
この日は、5、6年生41人が参加。午前中は出羽庄内森林組合のメンバー4人が講師を務め、同土地改良区が所有する大鳥地区の水源涵養(かんよう)林で間伐作業体験や大鳥自然の家で間伐材を利用し本立てを作製した。このうち、間伐作業では、はじめに森林組合のメンバーがチェーンソーで約12メートルの杉の木を伐採するデモンストレーションを披露。続いて、児童たちは4―5人のグループに分かれ、のこぎりを使った杉の間伐に挑戦。講師から「のこぎりを水平にして」などとアドバイスを受けながら、力強くひいた。作業を始めてから30分ほどたつと、「バリバリ」と乾いた音を立てて木が倒れ、周囲からは「やったー」と児童たちの歓声が上がっていた。
5年生の大滝果林さん(10)は「木を切ることはとても大変だったけど、木が倒れるときは迫力があってやりがいがあった」と話した。
午後からはマイクロバスで移動しながら赤川頭首工や湯野沢分水工を見学した。