2012年(平成24年) 10月6日(土)付紙面より
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庄内町立余目第一小学校(椎名和美校長)の6年生が4日、同町家根合の「メダカ水田」で稲刈り体験を行った。秋空の下、児童たちが鎌を使った手刈りと稲のくい掛けに挑戦し、爽やかな汗を流した。
同校は児童たちに地元の自然を学んでもらおうと、近くの家根合地区の農業者でつくるNPO法人「家根合生態系保全センター」(佐藤昭一理事長)と連携し、同NPOが取り組むメダカの保全活動に合わせて総合学習「魚の学習会」を毎年実施している。
今年は5月28日に佐藤理事長が所有する田んぼで6年生が田植えを体験し、10日ほど後にNPOメンバーが地区内の保全池のメダカ約250匹を田んぼへ放流した。7月下旬には家根合地区の学童保育の児童たちが参加し、田んぼのメダカたちを再び保全池に戻した。
この日の稲刈りには6年生52人と教員、NPOメンバー、県庄内総合支庁、町職員など合わせて80人余りが参加した。約20アールの田んぼの「はえぬき」は、佐藤理事長が児童たちのために刈り残しておいたもの。児童たちはNPOメンバーから鎌の使い方や、刈り取った稲を6―8株ずつ束ねるやり方を聞き、田んぼへ向かった。
初めて手刈りをする児童もおり、最初は動きがぎこちなかったもののすぐに慣れ、手早く刈ってわらで束ねた後、くい掛けした。親戚が農家という高橋航太君(12)は「稲刈りを手伝ったことはある。手刈りは1回ですぱっと刈れると気持ちがいい」と話していた。
稲は佐藤理事長が自然乾燥させて脱穀し、来月上旬に精米した「メダカ米」を余目一小にプレゼントするという。
2012年(平成24年) 10月6日(土)付紙面より
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酒田市立飛鳥中の1年生たちが4日、鶴岡市の山形大農学部を訪れ、飛鳥地区の代表的な在来作物「平田赤ねぎ」など地元や庄内地域の伝統野菜の生い立ちなどを学んだ。
「農業から学ぶ」をテーマにした本年度の総合的な学習のまとめとして、農学部で講義を受けた。同校が1年生の総合的な学習に「農業」を取り入れるのは初めてで、地域の産業に理解を深める導入としてテーマを設定。特産の赤ネギの種まきなど農作業体験、農業を切り口にした調べ学習などを行ってきた。
この日は、全1年生61人がカラトリイモ栽培の水苗代、鶴岡市の漬物店「本長」を見学した後、農学部を訪れ、山形在来作物研究会会長の江頭宏昌准教授から在来作物にまつわるさまざまな話を聞いた。
北庄内地域には赤ネギのほか、升田カブ、女鶴もち、カラトリイモなど26種、庄内全体では約70種の在来作物があることや、こうした在来作物を含め日本の作物のほとんどが海外から入ってきたこと、庄内には北方から来たカブや南方から来たカラトリイモがあることなど説明を受けた。
休憩を挟んで約2時間半の講義に、後藤翔太君(13)は「初めて大学に来て講義を受け大学生になった気分。日本で作られる作物のほとんどが外国原産と聞いてびっくりした」、佐藤愛音さん(13)は「赤ネギのルーツを知ることができて良かった。パソコンでいろいろ調べてきたけど、ルーツまでは分からなかった」と話していた。