2012年(平成24年) 10月7日(日)付紙面より
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鶴岡市の羽黒高校(牧静雄校長、生徒914人)は5日、生徒会が中心になって集めた77・5キロ分(約3万1000個)のペットボトルのふたを山形銀行鶴岡支店(本間弘支店長)へ引き渡した。ふたは同行からNPO団体に送られ、ポリオワクチンの費用として還元される。
同校は山形銀行が取り組むエコキャップ推進運動に協力している。各教室で分別されたごみのうち、生徒が校内の自販機で購入したペットボトルのふたを生徒会が回収。2010年10月には70キロ分(約2万8000個)を同行に引き渡した。その後、約2年かけて前回以上の数を回収した。
この日、同行鶴岡支店の土田仁次長が来校し、生徒会長の阿部洵也君(17)=2年=と前会長の高橋亨弥君(17)=3年=からビニール袋に納められた大量のふたを受け取った。
阿部君は「回収したふたにはシールなどが付いたままのものがあり、はがすのが大変だった。普段、意識せずにごみの分別をしているが、自分たちが集めたものが役に立てばうれしい」と話した。これを受け、土田次長は「協力いただけるのは大変ありがたいこと。ふたを回収する活動の意味が分かれば意識が違ってくる。今後も活動を続けてほしい」と謝辞を述べた。
ペットボトルのふたは2キロ分(約800個)で1人分のワクチンとなる。今回、羽黒高が引き渡したふたは約38人分で、発展途上国の子供たちの元に届けられるという。
2012年(平成24年) 10月7日(日)付紙面より
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映画と食を結び付けて鶴岡の文化を発信する「鶴岡・食の国際映画祭と食のフェスタ」が6日、鶴岡市山王町の鶴岡まちなかキネマと山王通り商店街を会場に開幕した。食をテーマにした国内外の映画の上映や、山王通りの一部を歩行者天国にして地元の料理店や産直が開店する「テント屋台」などに大勢の市民が繰り出し、「映画と食の街・鶴岡」を体感するイベントを楽しんだ。映画上映は8日まで、食のフェスタは7日も開かれる。
庄内映画村、まちキネ、山王通り商店街などが実行委員会を組織し、地域活性化につなげようと初めて企画した。オープニングで、実行委員長の宇生雅明庄内映画村社長は「映画と食のファンが全国から集まるイベントに育てていきたい」、榎本政規市長は「食文化は鶴岡の大きな魅力の一つ。市民挙げて楽しみ、多くの人を呼び寄せられるイベントにしてもらいたい」とあいさつした。
鶴岡郵便局前の山王通りを歩行者天国にした「テント屋台」では、昼の部として市内の8店舗による「鶴岡の名店が作る秋鍋の食べ比べ」、飲食店や産直、出羽三山の精進料理などが出店。秋鍋はタラのクリームスープ、やまがた地鶏でスープを取ったキノコ鍋、サワラを使った鍋など各店が工夫を凝らした自慢の鍋を一杯400円で提供。出店した「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフも訪れ、PRに一役買っていた。赤ちゃんを連れ夫婦で訪れた同市切添町の井上文隆さん(35)、理恵さん(36)は「どれを食べるか迷うけど、それがまた楽しい。夜の部も来てみたい」と話し、秋鍋に舌鼓を打っていた。
6日は今冬クランクインの映画「おしん」でメガホンを取る鶴岡市出身の冨樫森監督による映画談議があり、7日は奥田シェフと同市出身のよしもと山形県住みます芸人の三浦友加さんによる料理教室なども行われる。
一方、食の国際映画祭では、全国公開に先駆けたプレミア招待作品として「石垣島ラー油」を生み出した沖縄県石垣島の夫婦を描いた「ペンギン夫婦の作りかた」の特別上映をはじめ、石川県金沢市の中華料理店を舞台にした「しあわせのかおり」、食と命をテーマにした海外ドキュメンタリー「モンサントの不自然な食べもの」など5作品が8日まで3日間、毎日1回ずつ上映される。
実行委は今回をプレイベントとし、来年は山形市内で隔年開催されている「山形ドキュメンタリー映画祭」と連携して実施するなどし、映画と食の街をアピールする。