2012年(平成24年) 11月23日(金)付紙面より
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山形6次産業化サポートセンター(代表・鈴木俊幸日東ベスト会長)の研修会が21日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれ、講演や個別相談会を通して農林水産業の6次産業化に向けた課題などを学んだ。
6次産業化は、農林水産業者が生産(1次)、加工(2次)、流通・販売(3次)に一体的に取り組むことで所得を増やすとともに、2・3次産業と連携して地域ビジネスを展開して新たな産業を創出し、「もうかる農林水産業」を目指すもの。
同センターは、6次産業化を支援するため「やまがた食産業クラスター協議会」が国の委託を受けて開設。「6次産業化プランナー」として登録している中小企業診断士やマーケティングプランナーなど専門家が、事業計画の策定や事業実施、そのフォローアップまでを行い、6次産業化実現を後押ししている。
研修会はその一環として、6次産業化にこれから挑戦、または既に取り組み始めている農業者や行政担当者らを対象に開催。庄内一円から20人余りが参加した。
経営コンサルティング会社・ティップス(鶴岡市)社長で東北農政局登録プランナーを務める尾形恵子さん、農家レストラン「知憩軒」(同)代表で農林水産省登録ボランティアプランナーの長南光さん、主にラズベリーの生産・加工・販売を手掛ける「はらぺこファーム」(庄内町)代表の高橋紀子さんが、それぞれの取り組みを紹介した。
このうち尾形さんは、「売れる商品づくりの工夫とアイデア」と題して講演。ご飯100%の米菓「新潟チップス」などを挙げ、6次産業化に成功しているのは▽ご当地食品や健康食品など人気の食材を使用▽砂糖の代わりに和三盆や蜂蜜を使うなどメーン以外の原料にもこだわる▽形やサイズを変える―などのひと工夫をしたものと解説。「顧客にとって一番の価値が何かを考え、差別化=決め手づくりを行うことが成功のポイント」とアドバイスした。