2012年(平成24年) 11月24日(土)付紙面より
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鶴岡市黒川の春日神社で23日、農作物の収穫に感謝する新嘗(にいなめ)祭が行われた。500年以上にわたり地元住民たちが受け継いできた伝統芸能の「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)が奉納上演され、地元内外から訪れた大勢の能楽ファンたちを魅了した。
黒川能が同神社で奉納上演されるのは新嘗祭の他、2月の王祇祭、3月の祈年祭、5月の例大祭の年4回。
この日は女児6人による巫女(みこ)舞や玉ぐし奉納などの神事に続いて、神社内の舞台で、上座が能「井筒」、狂言「柿山伏」、下座が能「石橋」の計3番を上演した。
笛や鼓などの音が響き渡る中、演者たちが厳かな舞を繰り広げた。訪れた大勢の観客たちは引き込まれるようにじっくりと見入ったり、写真に収めるなどしていた。
2012年(平成24年) 11月24日(土)付紙面より
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三川町が同町横山で進めていた町立三川中学校(秋葉忠校長、生徒200人)の改築事業が完了し23日、竣工(しゅんこう)式典が同校体育館で行われた。町民らが、次代を担う子供たちの夢と希望を育む拠点としてさらなる発展を願い、7カ年にわたる一大事業の完成を祝った。
旧校舎は1958年、横山、押切、東郷の旧3中学校を統合して三川中を創立した時に完成。老朽化に伴い町は2006年度から改築事業に着手。校舎は09年3月に着工し、10年8月に完成した。引き続き旧校舎を解体して体育館を整備、今年3月に完成。本年度はグラウンドやテニスコートなどを整備した。
このうち校舎は鉄筋コンクリート造り2階建て延べ床面積は約4200平方メートル。道路面より約1・5メートル高くし、洪水時の地域避難所としての機能を強化。少人数指導に対応できる小教室を配置し、段差のないバリアフリー、庄内産の木材を多用し、安全・安心やぬくもりに配慮した。
式典には全校生徒や教職員のほか、地元選出の県議らの来賓、町内の各区長ら約150人、合わせて約400人が出席。阿部誠町長は式辞で「改築を機にますます勉学と心身の鍛練に励み、夢と希望を持って、未来に向かって羽ばたいて」と生徒たちへの期待を述べた。
竣工を記念して鶴岡市出身の作編曲家、真島俊夫さんが校歌を吹奏楽用と合唱用に編曲。式典では真島さんの指揮で吹奏楽部や町民がそれぞれを“初演”し、大きな拍手を浴びた。生徒会長の佐藤廉君(15)=3年生=がお礼の言葉として、新校舎に引っ越したときの感激とともに、三川中の伝統を後輩たちに引き継いでいく決意を力強く述べた。