2012年(平成24年) 11月7日(水)付紙面より
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「文化の日」の3日、酒田市の国指定史跡「旧鐙屋」が無料公開され、各地から訪れた観光客らでにぎわった。また、3回にわたって無料の「お点前体験」が行われ、酒田繁栄の歴史を物語る建物で約30人が日本の伝統文化を楽しんだ。
文化庁主導の文化財保護強調週間(11月1―7日)の一環として、旧鐙屋を管理する市教育委員会が毎年、この日に実施している。鐙屋は、井原西鶴の著書「日本永代蔵」でもその繁盛ぶりが描かれた酒田を代表する廻船(かいせん)問屋。本町通りに現存する建物は「石置き杉皮ぶき屋根」の江戸時代の典型的な町屋で、1845(弘化2)年の火災直後に再建された。
市が1990(平成2)年、大規模修復に着手。可能な限り当時の部材を使って工事を進め、往時の繁栄をしのばせる間口30間の建物が98年によみがえった。通常は310円(一般)で公開。酒田まつり期間(5月19―21日)と文化の日は無料公開している。
お点前体験は、市内の茶道7流派の協力を得て実施。今年は裏千家淡交会庄内支部酒田地区(成澤宗英代表)が担当した。
会場となった座敷床の間には、筆者不明ながら稲刈りから蔵入れまでの作業が生き生きと描かれた双幅の軸が掛けられ、茶室の雰囲気を演出。訪れた観光客のうち希望した人々が、茶菓子を食べた後に茶せんを振るって自分用のお茶をたて、作法通りに茶わんを少し回し、正面を外してから味わった。
お点前は初体験という鶴岡市の男性は「もっと苦いかと思っていたが、うまい」と感想。お代わりもきれいに飲み干し、「長い歴史を経てここまで来たものには、何か素晴らしいところがある。茶道もその好例なのでは」と話していた。
2012年(平成24年) 11月7日(水)付紙面より
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鶴岡市田麦俣の湯殿山スキー場で5日、本格的なスキーシーズンを前にリフトの取り付け作業が始まった。従業員たちは来月の同スキー場オープンに向けて準備作業に追われていた。
この日は、青空が広がる秋晴れの中、同スキー場を管理運営する湯殿山観光開発公社の冬期従業員ら約10人が、「第1ロマンスリフト」の乗り場で作業開始。従業員たちはシートの組み立てとワイヤへリフトを取り付ける二手の作業に分かれ、連結部分をレンチでしっかり固定するなどし、一基一基、丁寧に取り付けていた。
同スキー場の全4カ所のリフト計約600基全ての取り付け作業は、今月10日ごろに完了する予定。同公社は「ようやく湯殿山でも雪が降り始めた。今年こそはオープン初日に滑走可能な状態でスキー客を迎えることができればと思う」と話していた。
同スキー場では来月4日、オープン行事の安全祈願祭が行われる。当日は祈願祭終了後、午後4時までリフトを無料開放する。