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荘内日報ニュース


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2012年(平成24年) 11月8日(木)付紙面より

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せーの、よいしょ 鶴岡・広瀬で節綱づくり

 鶴岡市の出羽三山神社に奉納する「節綱」の綱打ちが6日、同市羽黒町広瀬の広瀬地区公民館で行われた。地元住民でつくる「広瀬わら細工の会」(岡部進会長)のメンバーが力を合わせ長さ21メートル、直径10センチ強の綱を完成させた。

 同会は2000年から毎年、節綱作りに取り組んでいる。節綱は出羽三山神社で大みそかに行われる松例祭に使われるものの1本。材料となるわらは、地元住民が約3アールの田んぼで育てているもので、丈が150センチほどと高く、わらを取る専用に植えているもの。先月28日に稲を刈り取り、今月5日にわら打ちして軟らかくした。

 この日は同会メンバー13人が綱打ちに参加。5人がわらを寄り合わせた「ヨメ」と呼ばれる束を作り、これを次々とつなぎ合わせて3本の綱にし、さらに1本の太い綱に締め上げる作業を繰り返した。特に3本の綱を1本にまとめる作業は締め上げに3人、綱を押さえる役目に2人の5人がかり。「せーの、よいしょー」と声を合わせて力強く締め上げていた。

 作業は午前9時から3時間ほどで綱の締め上げが終了。午後は綱からはみ出したわらをはさみできれいに切り取る作業を行い、夕方までに完成させた。岡部会長は「今年はわらの色が良く、素晴らしくきれいに仕上がりそう」と目を細めていた。完成した綱は地元住民にお披露目された後、出羽三山神社に奉納される。

大人の腕ほどある太さの綱を、力を合わせて締め上げた
大人の腕ほどある太さの綱を、力を合わせて締め上げた


2012年(平成24年) 11月8日(木)付紙面より

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漢方生薬の産地化へ 栽培事例や課題、将来性学ぶ

 「つるおか漢方生薬シンポジウム」が6日、同市覚岸寺の鶴岡メタボロームキャンパスで開かれた。専門家の講演や、地元で試験栽培を行っている農業法人の事例発表などを通じ、鶴岡を漢方生薬の産地にするための課題や展望を探った。

 このシンポは、鶴岡市と庄内地域産業振興センター(佐藤智志理事長)が、昨年度から大手製薬会社や地元企業などと連携して漢方生薬の生産加工や応用などを研究している「鶴岡漢方プロジェクト」の一環で開いた。約200人が参加した。

 はじめに慶應義塾大医学部漢方医学センターの渡辺賢治准教授が「漢方の力」と題して講演。「漢方は濁った水の汚れをすくい取るのでなく、川をさかのぼり大本の汚れの原因を取り除く。症状でなく人間を診る」と原理を説明。日本では西洋医学と相互に補う形で発展し、現在は148処方が医療保険の適用対象となり、医師の約9割が抗がん剤を含め日常的に使っている実態を紹介した。一方、生薬生産などで不安があり、「薬がなくなり漢方が滅ぶことがないようにしなければ」とした。

 続いて医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターの柴田敏郎客員研究員が「日本における生薬栽培の課題」と題して講演。生薬の市場規模は医薬品で1300億円、健康食品や化粧品などで2兆6000億円ともいわれ、「安定供給の必要性が高まり、ビジネスチャンスは大きい」とした。また、生薬は現在、大半が中国産だが、物価上昇や政情不安、衛生面の問題などから「第三国や国内産への要求が高まっている」とした。一方で、栽培期間が半年―5年と長く、種苗の入手先や使用農薬が限られ、指導者が少ないなど国内生産の課題を指摘した。

 プロジェクトの一環で本年度から鶴岡市■代の耕作放棄地で試験栽培を始めた農業法人「米作」の松田茂常務取締役が事例発表。トウキやキキョウなど10種の生薬を栽培した経緯を紹介し、「年間を通して働けるように、乾燥など加工方法を確立したい」と抱負を語った。

 パネル討論では渡辺さん、柴田さん、松田さんの3人に、プロジェクトで生薬の成分分析を担う慶應義塾大先端生命科学研究所の及川彰特任准教授が加わり意見交換。「めげずに忍耐強く取り組めば、この土地に合ったものを作り、産地化できるのでは」(柴田さん)、「解析で薬効や機能性成分の分析、良い生薬を作る栽培方法などの指標が作れる。鶴岡ブランドの裏付けができる意義は大きい」(及川さん)といった意見が出た。

■は木偏に荒で(たらのき)

鶴岡の漢方生薬の産地化に向け、専門家らが意見を交わしたパネル討論
鶴岡の漢方生薬の産地化に向け、専門家らが意見を交わしたパネル討論



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