2012年(平成24年) 12月2日(日)付紙面より
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「師走」の訪れを告げる出羽三山神社の松の勧進が1日、鶴岡市街地で始まり、山伏たちの吹き鳴らすほら貝の音が城下町に響き渡った。
大みそかから元旦にかけて羽黒山頂で行われる「松例祭」の修行の一つ。祭りの主役・松聖(まつひじり)の2人が小聖(こひじり)たちを従えて家々を回り、無病息災などのお札を配り浄財を集める。
今年の松聖は、「位上(いじょう)」が粕谷典史さん(63)=手向=、「先途(せんど)」が芳賀繁夫さん(63)=同=の2人。
一行はこの朝、山王日枝神社で祈とうした後、市街地へ出発。松聖は旧庄内藩主酒井家を訪れて「城下」を勧進するあいさつをし、歴代藩主を祭る荘内神社の拝所を巡った。
時折、雪が舞う天気となり、山伏たちの「ブゴー、ブゴー」というほら貝の音が商店街などに響き渡り、通行人らが季節の風物詩に目をとめていた。松の勧進は庄内一円で今月いっぱい続く。
2012年(平成24年) 12月2日(日)付紙面より
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新庄市と酒田市を結ぶ地域高規格道路・新庄酒田道路の早期整備を目指す「戸沢村・庄内町地域連携フォーラム」が30日、庄内町商工ふれあい会館で開かれた。隣接する両町村の商工、観光関係者らが参加し、地域活性化に欠かせない同道路の整備促進を訴えるフォーラム提言を採択した。
新庄酒田道路は国道47号に沿うように走る延長約50キロの路線で、このうち暫定供用や事業着手などの整備区間は計約39キロだが、戸沢村草薙―庄内町廻館間約12キロは調査区間や計画路線のままで整備のめどが立っていない。こうした現状に危機感を抱いた両町村の商工会、観光協会、住民自治組織、農協、青年会議所など民間で実行委員会を組織し、庄内と最上の枠を超えて連携して地域の声を大きく上げようとフォーラムを企画。約200人が参加した。
フォーラムの主催者あいさつで、実行委員長の阿部武敏庄内町商工会長・同町観光協会長は「新庄酒田道路は地域活性化の切り札。国道47号は大雪や大雨で度々通行止めになり、どうしても代替道路が必要であり、地域振興に向け決意を新たにしたい」と述べた。国土交通省酒田河川国道事務所の北村章所長が新庄酒田道路など管内の道路の整備状況を説明し、酒田地区医師会の本間清和会長とあつみ温泉・萬国屋の石田照雄社長が意見発表で救急医療、観光面での高規格道路網整備の重要性を強調した。
提言では、新庄酒田道路は沿線地域の発展と安全・安心な地域づくり、太平洋側と日本海側を最短で結ぶ東北の幹線ネットワークとして早期に整備すべき重要な路線とし、計画路線の庄内町狩川―廻館間の調査区間格上げ、草薙―狩川間の整備区間格上げを強く訴えた。