2012年(平成24年) 12月9日(日)付紙面より
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旧鶴岡市内の小中学校で7日、明治時代の献立を再現した「おにぎり給食」が行われた。子どもたちが塩味の素朴なおにぎりを味わい、食べ物の大切さについて学んだ。
日本で最初の学校給食は1889(明治22)年、当時の鶴岡町の大督寺境内にあった忠愛学校で、家庭の生活が苦しい子どもたちに昼食を支給したのが始まりとされる。おにぎり給食は「学校給食発祥の地」を記念し、給食100周年を迎えた1989年から毎年実施されている。
この日は旧市内19校で実施。メニューは塩味のおにぎり1個と焼いた塩引き、イタドリのいり煮。中学校にはナメコのみそ汁がついた。
朝暘第三小学校(渡會晃校長、児童661人)の2年1組では、「いただきます」のあいさつで給食がスタート。児童たちはおにぎりを持ち、口を大きく開けてかぶりついていた。初めておにぎり給食を体験した星直希君(8)は「いつもと違う給食だけどおいしかった。また食べてみたい」と笑顔で話していた。
おにぎり給食は14日、旧市内の8校、羽黒地域の5校と1幼稚園でも行われる。
2012年(平成24年) 12月9日(日)付紙面より
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「震災復興 観光推進国民会議山形フォーラム―風評被害を乗り越えて」が7日、山形市の山形テルサで開かれた。県内外から関係者約600人が参加。基調講演やパネルディスカッションを通し、観光復興に向けて一丸となって取り組むことを確認した。
震災復興 観光推進国民会議IN山形(議長・西田厚聰日本観光振興協会長)が主催。西田議長が「大震災から1年9カ月が経過したが、東北地方の観光需要はまだまだ大変厳しい。直接被害のなかった山形県や秋田県も風評被害によって思うように回復していない。東北の早期の観光復興へ、このフォーラムを観光関係者が一丸となって取り組む契機にしよう」と述べた。
開催地を代表し、同国民会議メンバーで東方水上シルクロード貿易促進協議会長の新田嘉一平田牧場会長が「観光は人々を元気にして地域を活性化させる。このフォーラムが東北復興、日本再生に向けて大きな力になることを期待する」、吉村美栄子知事が「観光産業は多くの方々が携わり裾野が広いだけに風評被害の影響も大きく、まだまだ従前に戻っていない。その中で、2014年のJRのデスティネーションキャンペーンが山形に決まったのは明るい話題。官民の力を結集して成功させたい」とあいさつした。
東北観光振興機構の高橋宏明会長が東北観光の現状報告。「観光客中心の宿泊施設は厳しい状況が続いている」とした上で、被災地視察と観光を組み合わせた復興ツーリズム、震災学習を目的にした修学旅行など新たな形態が生まれていることなどを紹介した。
続いて、井手憲文観光庁長官が「観光立国の推進に関する最近の動向と取り組みについて」と題して基調講演。その後、「観光による東北復興 第3ステージへ」のテーマで、東北運輸局の長谷川伸一局長、JR東日本の原口宰常務、ANAセールスの稲岡研士社長、日本航空の上川裕秀専務執行役員、天童温泉「ほほえみの宿滝の湯」の山口隆子女将(おかみ)が、JTB旅行事業本部の加藤誠観光戦略部長の進行でパネルディスカッションを繰り広げた。
最後に、日本観光振興協会の舩山龍二副会長が「観光は、さまざまな業界が連携によって成り立っている。それをさらに深めることが大事。一人一人が強い意思を持ち、東北の、そして日本の復興を目指そう」と呼び掛けた。