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荘内日報ニュース


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2013年(平成25年) 1月10日(木)付紙面より

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季節の「椿」「梅」繊細に 特別実習で和菓子作り

 酒田市幸町二丁目の酒田調理師専門学校(齋藤正典校長、学生102人)で8日、高度調理技術科2年生(39人)が特別調理実習の中で和菓子作りを学んだ。

 同校では、外部から特別講師を招き、心構えや各種料理、製菓などの作り方を学ぶとともに、自分が作った「製品」をお客に食べてもらう特別調理実習を展開している。同科(2年課程)2年生は本年度、郷土料理や韓国料理、和菓子などを5回にわたって学んでいる。

 この日は、御菓子司「小松屋」(酒田市日吉町一丁目)大宮工場長の佐藤淳さんが講師となり、初春や寒中を表現する「椿」と「梅」の和菓子に臨んだ。生徒たちは、「見栄えが大切で、中のあんこが見えないよう上手に包むことが基本」との佐藤さんの説明を受けて作業を開始。白あんに椿はピンク、梅は赤の食紅を混ぜ合わせた練り切りにこしあんを包んだ後、椿はさらしに包んでねじり、梅は3種類の木型を使って「ねじ梅」や「福梅」などの型に仕上げた。

 佐藤さんの手本を参考にひと工夫加えた飾りを試す生徒がいた一方、食紅を加え過ぎて色が濃くなり直すなど、練り切り作りにてこずる生徒も見られた。生徒の一人は「和菓子は繊細なところが難しい」と話しながらも楽しそうに和菓子作りに励んでいた。

 この後、出来上がった菓子は同科の1年生や調理科(1年課程)の後輩たちに食べてもらい、形や色合いなどについて評価を受けた。

 和菓子作りについて佐藤さんは「作り手として個性を出すことが大事。はじめは基本で精いっぱいだろうが、仕事を任せられた時に個性を発揮できるよう日々工夫を重ねてほしい」と生徒に伝えていた。

和菓子作りに励む高度調理技術科の2年生
和菓子作りに励む高度調理技術科の2年生


2013年(平成25年) 1月10日(木)付紙面より

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滑って転んで白熱!! 長靴アイスホッケー開幕

 スケート靴の代わりに長靴を履いて氷上を走る「長靴アイスホッケー大会」(鶴岡市アイスホッケー協会主催)が8日、鶴岡市の小真木原スケート場で開幕し、今季のリーグ戦がスタートした。

 長靴アイスホッケーは1978年、冬期間の運動不足解消を目的に北海道釧路町で誕生した。現在は東北各地や関東圏などに広がり、全国大会も開催されている。鶴岡では冬のレクリエーションスポーツとして91年に大会が始まった。

 23回目を迎えた今大会には、鶴岡市内の職場や友人同士でつくる9チームが出場。来月19日までの日程で、全チーム総当たりのリーグ戦を繰り広げる。選手が履くのは滑り止めのない長靴に限り、アイスホッケー用のパックの代わりにテニスボール大の特殊なゴムボールを使用する。

 この日は開幕戦を含め3試合が行われた。日中から断続的に雪が降り続くあいにくの天候の中、防寒具を着込んだ選手たちがボールを追い掛けて氷上を走り回った。降雪がリンクを覆い、雪に埋もれたボールを見失う場面も。「ボールどこに行った!」「後ろ、後ろ!」といった叫び声がリンク上に飛び交った。

 また、思わぬ場所で転ぶ選手が続出。応援に訪れた観客は派手な転倒に思わず悲鳴を上げたり、ゴール前の攻防に「ナイスファイト!」と声援を送るなどしていた。

雪が積もったリンク上で転倒しながらパスやシュートを繰り出す選手たち
雪が積もったリンク上で転倒しながらパスやシュートを繰り出す選手たち


2013年(平成25年) 1月10日(木)付紙面より

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森の時間60 ―山形大学農学部からみなさんへ―

カモシカの“ゲップ”は地球の温暖化を速めるか? 高橋 敏能

 ウシやカモシカのような胃袋が4個あって、反芻を行う動物を反芻動物ということを前号で述べました。この反芻行動は、一度食べた植物(飼料)を口に戻して再度咀嚼(そしゃく)(噛(か)む)した後、嚥下(えんげ)(飲み込む)する行動を言います。第一胃(4個の胃袋のうち最も大きい胃袋)に生息している微生物が飼料を分解しますと酢酸などの酸が作られますが、反芻をしますと酸性の胃の内容物とアルカリ性の唾液と混合され中和されるため体の恒常性が維持されて病気にならなく、反芻動物は生きていられるのです。

 カモシカなどの反芻動物は、角(つの)を持っていますが、基本的には他の動物を攻撃するなどしません。反芻動物の最強の武器は、他の動物では消化が困難なセルロースなどの繊維成分をスムーズに消化する消化器(第一胃)を持っていることです。飼料(植物)を採食して反芻しながら繊維成分を消化することが人間に有益であるため家畜として選抜されました。しかし、その際“ゲップ”として必ず地球温室効果ガスであるメタンが発生します。メタンは、二酸化炭素に次ぐ温室効果ガスで全体の20%を占めており、その内20%が反芻動物からの“ゲップ”が原因です。二酸化炭素は植物が光合成により固定しますので、人工的に制御可能なガスですが、メタンは固定できないので大気に放出されたら濃度が高くなるだけです。加えて、温室効果力が二酸化炭素の21倍と強く、世界人口の増加に伴ってウシなどの反芻動物の頭数は増加する傾向が続いていますので、将来反芻動物の存在が地球の温暖化の進行に深刻な問題になると思います。

 さて、現実にはあり得ないことですが、カモシカが特別天然記念物に指定される前には肉や毛皮を人間生活に利用していましたので、ヒツジやヤギと同様に家畜化されたことを想像してみます。山形に出向いてカモシカの第一胃内容液を取って来て植物(餌)を入れて試験管内でのカモシカのメタンの生成量を測定した結果、ヒツジより30%多いことが分かりました。即ち、仮にカモシカがヒツジやヤギに替わって家畜化されてカモシカの肉や皮を人間の生活に利用していたら、地球の温暖化が進むことになる訳です。世界中のウシの頭数は15億頭、ヒツジとヤギは15億頭ですので、カモシカを家畜化していたら地球の温暖化が現在よりも若干なりとも進んでいることになります。

 カモシカの食性はブラウザー(木本の葉や果実をつまみ食いする反芻動物)、ヒツジやウシはグレーザー(イネ科草本を大量に食べる反芻動物)であり、カモシカの食性から考慮すると反芻動物とブタなどの単胃動物(1個だけ胃袋を持つ動物)の中間の食性を示しています。しかし、カモシカの第一胃内の消化能力は野生的で酢酸の生成が旺盛であり、酢酸の生成に付随してメタンガスが多く放出される特性を持つ動物です。地球環境を考慮すると、カモシカは残念ながら「害獣」に分類されるようです。

(山形大学農学部教授、専門は「家畜飼養学、特にウシを中心とする反芻家畜の栄養生理学」)

山菜を食べるカモシカ/鳥海山にて=自然写真家・斎藤政広(1994年春撮影)
山菜を食べるカモシカ/鳥海山にて=自然写真家・斎藤政広(1994年春撮影)



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